この記事では、「患う」と「煩う」の違いを分かりやすく説明していきます。
同じ音のある2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょう。
「患う」とは?
「患う」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「患う」は「わずらう」と読みます。
「患う」には、「病気で苦しむ」という意味があります。
病気になっている人を「患者(かんじゃ)」と言いますが、この患の字は、「患う」からきており、「煩う者」という意味で、「患者」となります。
「煩う」は、病気になって、苦しんでいる人に対して使う言葉です。
例えば、長い間、病気で苦しんでいるような人に対して、「長く病気を患っている」などと言います。
また精神的な病になり、苦しんでいる人の状態を、「精神を患う」と言います。
さらに、大きな病気になっている人を、「大病を患う」と言います。
他にも、「難病を患ったが、時間をかけて完治した」、「病を患い入院したが、ようやく退院できた」などという文章を作ることができます。
「煩う」とは?
「煩う」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「煩う」は「わずらう」と読みます。
「煩う」は「あれこれと心を痛める。
思い悩む」という意味があります。
代表的な慣用句として「恋煩い(こいわずらい)」という言葉があります。
好きな人のことを、あれこれと思って、思い悩んだ経験があるかもしれません。
「彼は他の人が好きなのかも」「私は嫌われているかもしれない」などと、あれこれと思い悩むとき、「私は、彼に恋煩いをしている」などという文章を作ることができます。
また、仕事を終えて家に帰ってきたのに、あれこれと仕事のことを思い出して悩む様子を、「自宅に帰ってまで、仕事のことを思い煩う」などと「煩う」という言葉を使って表現することができます。
「今日は煩うことがない」「毎日思い煩う」などという使い方ができます。
「患う」と「煩う」の違い
「患う」と「煩う」の違いを、分かりやすく解説します。
「患う」には、「病気で苦しむ」という意味があります。
一方の「煩う」は「あれこれと心を痛める。
思い悩む」という意味があります。
「患う」も「患う」も、苦しむ、悩むという意味がある言葉になります。
実は、「煩う」にも「病気で苦しむ」という意味があり、一方の「患う」にも「あれこれと心を痛める」という意味があることから、同義語で、入れ替え可能な言葉でもあります。
そのため、どちらの言葉を使っても、厳密には間違いではないということになります。
ただし一般的には、「患う」は、「病気で苦しむ」ときに使う言葉で、「煩う」は「思い悩む」ときに使う言葉になっています。
まとめ
「患う」と「煩う」の違いについて見てきました。
2つの言葉は同義語であることを知っておきましょう。
同時に、一般的には「患う」は「病気で苦しむこと」を意味するときに使い、「煩う」は、「思い悩むこと」に対して使うという区別があることを知っておくといいでしょう。