「ソナタ」と「ソナチネ」の違いとは?分かりやすく解釈

「ソナタ」と「ソナチネ」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「ソナタ」「ソナチネ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ソナタ」とは?

「ソナタ」とは?

器楽曲の形式の一つです。

鳴り響くという意味の、「ソナーレ」という言葉に由来している言葉で、日本語では、「奏鳴曲」【そうめいきょく】と訳されています。

「ソナタ」という言葉は古くからありますが、時代によって意味する内容が変わっています。

「ソナタ」という言葉が使われ始めた頃は、明確な定義はありませんでした。

中期バロック時代になると、形式が確立しはじめて、多楽章制の器楽曲や、室内楽曲を指すようになりました。

古典派ソナタでは、序奏・提示部・展開部・再現部・結尾部からなる形式が、第一楽章に多く用いられており、「ソナタ形式」と呼ばれています。

「ソナタ形式」の典型的なパターンを説明すると、提示部では、二つの主題が提示されていて、一つ目は、快活であったり、激しかったりする曲調が多く、二つ目は、穏やかな曲調のものが多くなっています。

展開部では、提示部の曲調を変化させ、激しい転調を伴うことが多くなります。

次の、再現部では、提示部の一つ目と二つ目の曲調が再現されます。

時代が進むにつれ、再現部のないものも増えてきました。

いまは、ピアノ・ソナタのような独奏曲と、バイオリン・ソナタや、チェロ・ソナタのような、単一の旋律楽器とピアノとの二重奏によるものとがあります。

「ソナタ」の使い方

ピアノの独奏曲に対して使うことが多くなります。

また、18世紀、19世紀のクラシック音楽が、「ソナタ形式」で書かれているので、よく使われています。

「ソナチネ」とは?

「ソナチネ」とは?

イタリア語の“sonatine”から来ている言葉で、小さいソナタという意味です。

バロック音楽においては、単に短い器楽曲のことをいいました。

古典派音楽より後は、分かりやすく演奏しやすい短いソナタのことを指すようになりました。

日本語訳では、小奏鳴曲といわれています。

ソナタ形式の3つの構成のうち、展開部が特に短く、弾きやすいようになっています。

「ソナチネ」の使い方

ピアノを習っている者へ向けた教材として、よく「ソナチネ」の曲が使われています。

また、「ソナタ形式」の展開部や再現部を簡略化したものを「ソナチネ形式」ということもあります。

「ソナタ」と「ソナチネ」の違い

「ソナタ」と「ソナチネ」の違い

「ソナタ」が、3楽章から4楽章という大規模な構成になっているのに対して、「ソナチネ」は、2又は3楽章という構成で、全体的に短くなっています。

第1楽章の「ソナタ形式」部分も、簡略化された形であることが多くなります。

ピアノ練習のときには、「ソナチネ」の曲を練習してから、「ソナタ」に入ることが多くなります。

「ソナタ」の例文

「ソナタ」の例文

・『モーツァルトのソナタを弾きこなすのは、大変難しい』
・『ベートーヴェンのピアノソナタ第29番ハンマークラヴィーアは、弾き終わるのに40分以上もかかります』

「ソナチネ」の例文

「ソナチネ」の例文

・『ピアノのレッスンに数年通い、ソナチネアルバム第1巻が終わったので、シューマンのトロイメライに挑戦します』
・『ピアノの発表会で、クーラウのソナチネ第1番を弾きました』

まとめ

まとめ

「ソナチネ」は、小さいソナタという意味があります。

ソナタに比べると、小規模で、短いものになります。