この記事では、「遅れる」と「後れる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遅れる」とは?
「遅れる」の主な意味は3つあります。
1つは、他のものに取り残されるです。
マラソンで考えてみます。
複数人で一斉に走り出しました。
スタート直後は、どの人も同じくらいの位置を走っていましたが、次第に先頭を走る人と、最後を走る人との間が空いてきました。
一人だけ他の人たちと離れています。
これは「他の走者に遅れる」と表現できます。
2つめは、進み方が一般的なものよりも時間がかかるです。
テレビの画面の端に時刻が表示されていることがあります。
この時刻に比べて、自宅にある時計は時刻がうしろになっています。
たとえば、テレビの時刻は9時で、自宅の時計は8時58分などです。
これは「時計が遅れる」といいます。
3つめは、定められている時間や期限よりもあとになるです。
レポートの提出期限が8月1日だったとします。
しかし、その日には間に合わず、提出は8月2日になってしまいました。
これは「レポートの提出が遅れる」といいます。
「遅れる」の使い方
時間がかかる、時間がかかっているといった意味で使用をします。
「後れる」とは?
「後れる」の主な意味は3つです。
1つめは、他のものに取り残されるです。
ファッションには流行があります。
流行はしばらく続くと終わってしまい、また別のものが流行り出します。
今流行っているものよりも前に流行ったものを今着ているようなら、「流行に後れ」ているといえそうです。
2つめは、親交があった人に先立たれる、自分だけが生き残るです。
大きな災害があり、他の家族はみんな亡くなってしまいましたが、自分だけが生き残ったとします。
これは「家族に後れる」といいます。
親しい人に比べて、死ぬということについて差が生じ、自分はあとになっています。
3つめは、心が怯む、臆するです。
勢いなどにおされてひるむことを意味します。
「後れる」の使い方
他のものに比べてうしろという意味で使用をします。
進み方の違いによって生じる差をいいます。
たとえば、ファッションの流行だと、前に流行っていたものを着ている人は、今流行っているもののうしろに流行っていたものを着ていることになります。
「遅れる」と「後れる」の違い
2つの言葉はどちらも「おくれる」と読みます。
取り残されるという意味では同じです。
「遅れる」は時間がかかることに使い、「後れる」は前後に差が生じてうしろであることに使われます。
「遅れる」の例文
・『約束の時間に遅れる』
・『電車の発車時刻に遅れる』
・『今年は桜の開花が遅れるかもしれない』
・『みんなよりも食べるのが遅れる』
「後れる」の例文
・『父に後れる』
・『後れた様子はみえない』
・『死に後れる』
・『体力の面で後れる』
まとめ
読み方が同じで、取り残されるという意味が同じですが、どちらの言葉も複数の意味を持っており、その点に違いがあります。