「偏在」と「遍在」の違いとは?分かりやすく解釈

「偏在」と「遍在」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「偏在」「遍在」の違いを分かりやすく説明していきます。

「偏在」とは?

「偏在」とは?

かたよって存在するという意味です。

「偏」にはかたよる、「在」にはある、物がそこにあるという意味があります。

かたよるとは、均等ではなく、中心にあるのでもなく、どこか一方に集まることです。

こういったことから、「偏在」とはあるところにだけ集まって存在しているという意味があることがわかります。

1つの地域のことで考えてみます。

この地域には山間部と繁華街があります。

山間部にはほとんど人が住んでおらず、多くの人は繁華街周辺で暮らしています。

1つの地域の中で、人の住む数が少ないところと多いところができています。

あるところにだけ住む人が偏っているのです。

これが「偏在」です。

世界には、人間が利用できる水が豊富な国とそうでない国があります。

日本には水が豊富にありますが、砂漠地帯は水が少ないです。

これは地球規模でみたときに、ある地域にだけ水が偏って存在しているということができます。

「偏在」の使い方

あるところにかたよって集まるという意味で使用をします。

一方に寄ることを指す言葉です。

人や物などさまざまな事柄に使用されます。

「遍在」とは?

「遍在」とは?

広くあちこちにまで及んで存在することです。

「遍」には、あまねく、すみずみまで行き渡るという意味があります。

すみずみとは、隅から隅までのことです。

たとえば部屋の場合でいうと、部屋の四隅まで行き届いていることを指します。

どこか一つの部分に集まっているのではないということです。

世界には数多くの民話がありますが、どの国にも共通する似たようなものがあります。

また、日本には全国各地に似たような建造物があります。

奈良時代なら奈良を中心に、鎌倉時代には鎌倉を中心にある様式の建造物がみられます。

これは全国的に広がっているものではないので「遍在」ではありません。

日本全国どこでも見られるものは、すみずみに行き渡っているといえるので、これは「遍在」といいます。

「遍在」の使い方

広くあちこちに行き渡っているという意味で使用をします。

どこかに集まっていることには使用しません。

何が広く行き渡っているのかは意味に含まれていないため、さまざまな事柄に使用されます。

「偏在」と「遍在」の違い

「偏在」と「遍在」の違い

どちらの言葉も「へんざい」と読み、使用されている漢字の形も似ていますが、意味は異なります。

前者は偏って存在していることです。

広がっていることではなく、ある場所に集まっていることをいいます。

後者は広くすみずみにまで行き渡っていることです。

どこかだけに集まっていることではありません。

「偏在」の例文

「偏在」の例文

・『地域偏在』
・『需要の偏在』
・『偏在を正す』
・『地域によって在庫が偏在している』

「遍在」の例文

「遍在」の例文

・『全国各地に遍在する民話』
・『世界中に遍在する童謡』
・『自然界に遍在する』
・『都内に遍在している』

まとめ

まとめ

どちらも「へんざい」と読み、使用している漢字の形が似ていますが、意味は異なります。

一方は偏って存在すること、もう一方は偏らずに広く行き渡ることを意味します。