人に話を聞くという行動一つとっても、日本語には幾つもの表現があります。
「伺う」と「尋ねる」はその中でも比較的丁寧に聞くことをイメージさせるような表現ですが、正確な違いはご存知でしょうか。
この記事では、「伺う」と「尋ねる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「伺う」とは?
「伺う」はたずねることのへりくだった言い方、所謂謙譲語です。
たずねるは「尋ねる」ことと訪ねることのどちらも含み、話を聞いたり質問することを「伺う」と言いますし、目上の人を訪問することも「伺う」と言います。
「伺う」は敬語なので、親しくない相手や目上の相手に対して行動する時に使われる言葉です。
敬語を使わないような親しい間柄の相手や、目下の相手に対して「伺う」ということはありません。
「尋ねる」ことも訪ねることも同じように「伺う」という言葉が使われるので、どちらの意味で使われているかは、「伺う」のが何らかの話題を指しているのか、それとも場所を指しているのかで判断することになります。
「尋ねる」とは?
「尋ねる」とは人に質問して話を聞くこと、知らないことやわからないことを相手に聞いて確かめることです。
人に話を聞く以外にも、所在がわからないものを探すことや、物事のルーツを調べたり考察することも「尋ねる」といい、知らないことを知ろうとする行動を広く含む言葉と言えます。
ただし一番一般的な「尋ねる」の使われ方は、人に対して質問する、問いただすという意味での使い方です。
人に対して「尋ねる」場合、相手と自分の立場は関係ありません。
対等な相手、目上や目下など上下関係のある相手、初対面の人や親しい人相手でも、自分が知らないことを聞くために相手に質問することが「尋ねる」ということです。
「伺う」と「尋ねる」の違い
人に対して話を「伺う」のと「尋ねる」のでは何が違うのかと言えば、やはり言葉として丁寧かどうかの違いでしょう。
「伺う」は「尋ねる」の敬語表現、謙譲語であり、丁寧な言葉遣いになります。
それに対して「尋ねる」は一般的な動詞なので、丁寧さは特にない言葉と言えるでしょう。
「伺う」と「尋ねる」の違いは敬語か否かなので、使う相手も変わってきます。
「伺う」は目上の人や礼儀が必要になる相手に対して話を聞くことを指し、目下の人などから話を聞くときに「伺う」という言葉は使いません。
ですが「尋ねる」は目上の人に質問して話を聞くことにも、それ以外の人達相手に問いただして話を聞いた場合にも、言葉として使うことが可能です。
まとめ
「伺う」と「尋ねる」の違いや使い分けに混乱する事はあるかも知れませんが、人に質問すると言う意味では普通の動詞が「尋ねる」、敬語で表現する場合「伺う」という違いしかありません。
質問する以外にどのような使われ方や意味を含むかには小さくない差がありますが、敬語を使うべきかどうかで使い分ければいいでしょう。