雛人形は女子の健やかなる生活を願うために行われるひな祭りで飾られるものであり、綺麗な人形と飾りつけがあることから現代でも人気があります。
雛人形には「京雛」と「関東雛」の2種類がありますが、これは特徴が異なるので飾りつけをする際には気を付けましょう。
この記事では、「京雛」と「関東雛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「京雛」とは?
「京雛」とは主に京都地方で飾られる雛人形であり、これは古くから歴史のあるものとして現代でもその特徴が伝わっています。
京都地方は元々天皇が住んでいることから、古い格式として右よりも左の位置が格式高いという慣習があり、これが「京雛」の並び方にも影響しています。
「京雛」は左の位置(向かって右)が格式高いためにこちらにお内裏様が置かれます。
その反対側である右の位置(向かって左)にはお姫様が置かれることになり、これが他の「関東雛」との大きな違いとなります。
「京雛」は歴史が深い土地柄であり、これが雛人形の造形や顔立ちにも影響しています。
顔立ちは古い貴人や天皇をイメージしたかのような切れ長の目やスッとした鼻立ち、細面であるものが多く京都の美人であることが特徴的です。
「関東雛」とは?
「関東雛」とは主に関東地方で飾られる雛人形であり、最近ではこちらがスタンダードなものとして有名です。
「関東雛」は「京雛」と比べるとやや歴史が浅いのですが、これは明治時代の大正天皇に由来があり人形の置き方に特徴が出てきます。
「関東雛」は右の位置(向かって左)にお内裏が置かれ、左の位置(向かって右)にお姫様が置かれます。
これは大正天皇が即位の儀の時に国際的な儀礼である右の位置が高位というものを取り入れたという説があり、これによって現代の「関東雛」もお内裏が右の位置に立つこととなりました。
「関東雛」はこれだけではなく顔立ちにも関東の特徴が表れています。
「関東雛」はより洗練された都心部の顔立ちをイメージしており、現代人のようなふっくらとした顔であるのが大きな特徴です。
「京雛」と「関東雛」の違い
「京雛」と「関東雛」はそれぞれのお内裏とお姫様の立ち位置が異なるのが大きな違いです。
また顔立ちも異なる点が多く、細面で貴人のようなものが「京雛」であり、ふっくらとした柔らか顔が「関東雛」の特徴です。
「京雛」の例文
・『有名な京雛は非常に値段が高く、格式高いものとして有名だ』
・『京雛は人形が持っている道具にも細かい違いが見られる』
「関東雛」の例文
・『初孫のために関東雛をプレゼントしようと思う』
・『実家にあった関東雛は今でも色褪せずに残っており、これからも大切にしていきたい』
まとめ
女子の健康を祝い人形を形代として災厄から守ってくれるものとして雛人形は愛されてきました。
「京雛」や「関東雛」は立ち位置が異なる点など違いが沢山あるのですが、どちらも子供の愛するために親が贈るものとして現代でも人気があります。