この記事では、「最高出力」と「最大トルク」の違いを分かりやすく説明していきます。
「最高出力」とは?
モーターやエンジンが発生する最高の出力のことで、kwやpsで表すことが出来ます。
回転の力を表すトルクと回転数をかけ合わせた数値のため、特にエンジンにおいては最高出力を発生する回転数に最大トルクを発揮するとは限らないケースが多くなっており、2021年モデルのホンダヴェゼルGのエンジンは最高出力は87kW[118PS]/6,600rpm(rpmは1分の回転速度)なのに対し、最大トルクは142N・m[14. 5kgf・m]/4,300rpmとなっていて、タイミングが異なることがわかります。
一方モーターだけで走る日産リーフは最高出力160kW(218PS)/4600~5800rpm、最大トルク340N・m(34. 7kgf・m)/500~4000rpmとなっており、モーターのほうが最高出力が出る回転数の範囲が広くなっています。
(kgf・mは1kgの物体に9. 8m/s2の加速度(標準重力加速度)を生じさせる力の大きさ。)
「最大トルク」とは?
エンジンやモーターが発生する最大の回転力を示すもので、単位にはkgf・m、142N・mを使います。
ガソリンエンジンでは始動時や低回転時には最大トルクやそれに近い数値は発生できず、最大トルクを発生する回転数が最も燃費が良くなっているという特性があり、始動などをモーターでアシストするマイルドハイブリッドや過給器で低回転時のトルクを増大するダウンサイジングターボエンジンなどはその弱点を解決して燃費を良くするという目的もあります。
モーターは回転数を問わず最大トルクが発生できる点がエンジンにはないメリットとなっています。
また、エンジン(特にガソリンエンジン)は排気量が大きくなるほどトルクが大きくなるため発進がなめらかで静かというメリットが得られます。
ディーゼルエンジンは小排気量が作りにくい欠点と最大回転数がガソリンエンジンより小さいというがあるものの最大トルクは同排気量のガソリンエンジンと比べて大きめです。
「最高出力」と「最大トルク」の違い
「最高出力」と「最大トルク」の違いを、分かりやすく解説します。
最高出力はモーターやエンジンが出せる最大の力で、回転数とトルクをかけ合わせた数値となっており、エンジンでは最大トルクよりやや低めのトルクとなっているケースが多くなります。
最大トルクは一回転あたりの回転力が最も強い状態で、エンジンでは最も燃費が良い状態です。
モーターは回転してから早い段階で最大トルクを発生できます。
まとめ
「最高出力」と「最大トルク」は比例する部分があり、最大トルクの高いエンジン/モーターは最高出力も高いという原則があります。
エンジンはターボによって最大トルクをさらに増大させることが可能です。
モーターは始動直後に最大トルクが発生できる点がエンジンにないメリットと言えます。