「選書」と「新書」はどちらも書物のジャンルを指す言葉ですが、サイズや取り扱う分野の専門性などが異なります。
双方の正しい意味や使い方を知って、本や日本語についての知識を広げましょう。
この記事では、「選書」と「新書」の違いを分かりやすく説明していきます。
「選書」とは?
「選書」は本の種類のひとつで、後述する「新書」よりひと回り大きなサイズで流通しており、「専門性の高いテーマ」を取り扱っている点が特徴的です。
「選書」には様々な種類がありますが、筑摩書房による「筑摩選書」や、中央公論社による「中公選書」などが有名です。
なお、本のジャンル以外に「沢山の本の中から選ぶこと」という意味で使用されることもあります。
「新書」とは?
「新書」は「新書版」とも呼ばれ、前述した「選書」よりひと回り小さい本を指します。
105mm×173mmのサイズが普及していますが、規格が統一されていないため出版社などによって大きさが異なる場合があります。
「新書」の特徴は、学術分野や実用分野、専門分野などのテーマを分かりやすく伝えている点。
岩波書店による「岩波新書」をはじめ、新潮社による「新潮新書」やNHK出版による「NHK新書」など多岐にわたる出版社から刊行されています。
「選書」と「新書」の違い
「選書」と「新書」の大きな違いは、それぞれの「サイズ」や「専門性の度合い」などにあります。
「選書」は「新書」に比べてひと回り大きく、取り扱っている内容は「新書」よりも専門性が高いという特徴があります。
一方、「新書」は「選書」よりも小さく、ある分野の入門的な内容が多いほか、ページ数も「選書」より少ない傾向があります。
なお、価格については「選書」の方が高く設定されているようです。
次に、「選書」と「新書」の違いを分かりやすく解説します。
「選書」の例文
「選書」は、新書よりも「サイズが大きい」「専門性が高い」といった特徴を持つ書物です。
「本を選ぶ」という意味もあり、名詞や動詞として使う場合もあります。
・『選書は専門性が高いので、予備知識をつけてから読んだ方がいいかもしれない』
・『ここ最近は選書ラッシュなのか色んな書店で選書フェアを見かける』
・『彼女は本の虫ということもあって選書のプロだ』
・『今回は本の色合いやデザインなどに注目して選書しました』
「新書」の例文
「新書」は105mm×173mm程度の書物のことで、教養の入門書として人気があります。
なお、「新書」はあくまでも「書物の種類」を指す言葉にとどまっており、「選書」のように名詞や動詞として使う例は見当たらないようです。
・『日本で初めて新書を販売したのは岩波書店だ』
・『新書は海外のペーパーブックに倣って作られた』
・『尊敬する作家が新書大賞を受賞した』
・『新書は単行本より軽いので持ち運びにも便利だ』
まとめ
「選書」と「新書」は表記や読み方が似ているため混同されやすい傾向がありますが、「書物のサイズ」や「専門性の度合い」に違いがあります。
両者の強みを把握して、学びたい分野や自分の知識に応じて使い分けてください。