この記事では、「特殊切手」と「記念切手」の違いを分かりやすく説明していきます。
「特殊切手」とは?
「特殊切手」とは、国家宣伝や国特有の文化財の紹介、国や自治体が行うキャンペーンなど、切手を発行する事によってこれらを宣伝、紹介する際に発行される切手の総称です。
「特殊切手」は、毎年発行されるものや、ひとつのテーマをもとにして何シリーズかによって発行されるものが存在します。
一般的に、特定の時期に一定数の販売枚数が制限された発売の仕方がなされ、発売される郵便局も限定される場合があることが特徴です。
さらに、実際に切手として使用できる期間も決まっているものもあり、収集目的や記念目的等で購入される場合が多くなっています。
「特殊切手」は現在の所、日本と中国でしか発売されておらず、実際には後述する「記念切手」との区別が明確ではないため、日本郵政では「特殊切手」で呼び方が統一されています。
日本初の特殊切手は1935年の年賀切手で、有名なシリーズ物の「特殊切手」としては国立公園を題材にした国立公園切手が挙げられ、収集家や愛好家によって集められています。
「特殊切手」は発行日に特殊な初日印が押されるという特徴があります。
初日印は、「絵入りハト印」が使用され、これが押されている切手については「特殊切手」と言えますが、全ての「特殊切手」においてこの「絵入りハト印」が押されるわけではなく、「ふるさと切手」と呼ばれる「特殊切手」は「絵入りハト印」が押されませんが、後述する「記念切手」である証の消印が押されないため、「ふるさと切手」も「特殊切手」と言えるでしょう。
「記念切手」とは?
「記念切手」とは、国を挙げての大きな行事を記念して発光される切手の総称です。
「記念切手」の特徴は、上述した「特殊切手」と同様に、販売枚数や、販売期間、販売郵便局が限定されます。
1894年に発行された日本初の「記念切手」は、当時の明治天皇の銀婚を記念したものでしたが、当時は「記念切手」という概念が存在しなかったため、「特別切手」と呼んでいました。
しかし、昭和初期までの「記念切手」は数年に1度程度の非常に低い頻度でしか発行されておらず、そのほとんどは神道に関するものが占めていましたが、世界大戦後ではその数が増えていき、現在では毎年数十の「記念切手」が発行されています。
「記念切手」は、発行初日に付属されるカバーに特別の日付印である「特殊通信日付印」が押される事が特徴です。
通常の切手などでは、絵柄のないハト印しか押されないため、「記念切手」と通常の切手を区別する事が可能です。
「特殊切手」と「記念切手」の違い
「特殊切手」と「記念切手」の違いは、非常にあいまいなものとなっています。
発行日に押される日付印が「特殊切手」の場合「絵入りハト印」が押され、「記念切手」であれば「特殊通信日付印」が押されるという特徴があります。
また「特殊切手」は、何かの国家的な宣伝やキャンペーンを目的として発行される切手であり、「記念切手」は国の行事やイベントを記念して発光される切手であるという事も異なっています。
しかし、日本郵政ではこれらをまとめて「特殊切手」と呼んでおり、「特殊切手」と「記念切手」を分けて呼ぶのは、日本と中国だけとなっています。
このため、「特殊切手」の中に「記念切手」も含まれていると言った方が正しいかもしれません。
まとめ
「特殊切手」と「記念切手」の違いは非常にあいまいな物となっていて、日本郵政では「特殊切手」と呼び方を統一しています。
このため「記念切手」も「特殊切手」の一種であると考えておけば問題ないと言えるでしょう。