同じ読み方をしていても、方向性が異なる言葉もあります。
この記事では、「益々」と「増々」の違いを分かりやすく説明していきます。
色々な言葉を知って、ボキャブラリーを蓄えていきましょう。
「益々」とは?
益々(ますます)とは、さらに、より一層のこと。
次第に力が加わっていくこと、いい方向に進展していくことです。
ビジネスでも良くつかう、おさえておきたい言い回しです。
「益々」には「益」という漢字が2回も繰り返されています。
「益」は「皿から水があふれ出る様子」にヒントを得て、うまれた漢字です。
そのため「勢いよく満たされる、豊かに発展する」という意味合いで使われるのが「益々」になります。
「益々」を使ったフレーズには「益々のご活躍を、お祈り申し上げます」が挙げられます。
メールや文書の文末に締めの句として、書かれることが多い言葉です。
このほか「時下益々、ご健勝のこととお慶び申し上げます」もよくつかいます。
この場合は拝啓と一緒に、文の始めに用います。
「増々」とは?
増々(ますます)とは、さらに増えること。
以前とくらべて、より一層、高まっていくことです。
SNSなどで目にする、カジュアルな言い回しの言葉です。
「増々」には「増」という漢字が、重ねて用いられています。
「増」には、数や量、割合などが上昇していくという意味があります。
過去に比べてアップしていること、割合が増えていることが「増々」になります。
たとえば「増々、パパにそっくりになったね」という会話文があったとします。
この場合の「増々」とは、前回会ったときと比較して、ますます見た目が似てきたことを表します。
このほか増々は「増々、進化する」「増々、発展する」など、上昇する言葉とセットでつかわれます。
「益々」と「増々」の違い
どちらも同じ「ますます」ですが、使用シーンが少しだけ異なっています。
「益々」と「増々」の違いを、分かりやすく解説します。
・ビジネスは「益々」、会話文は「増々」
会社で文書を作成しているとき、どちらの「ますます」に変換したらいいのか、戸惑うこともあります。
ビジネス文書における「ますます」は「益々」です。
「増々、ご健勝のことと~」とは使わないので、心得ておきましょう。
「益々」は「ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」と平仮名で書いても差し支えありません。
そのため迷った場合は「平仮名のますます」と心得ておくと便利です。
一方で「増々」は「増々、目が離せない」や「増々、値段が高くなる」など「以前にもまして」という意味合いで使われます。
「益々」に比べて、くだけた雰囲気をもっているのが「増々」です。
まとめ
「益々」と「増々」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「ますます」と読める、良くつかう表現です。
「益々」は「益々のご活躍をお祈り申し上げます」のように、ビジネス文書で使います。
そして「増々」は「以前にまして」という訳があります。
会社で使うのは「益々」、プライベートで使うのが「増々」です。
言葉の差を知ると、仕事の向き合い方も良い方へ変わっていきます。