この記事では、「浮世絵」と「絵」の違いを分かりやすく説明していきます。
「浮世絵」とは?
「浮世絵」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「浮世絵」は「うきよえ」と読みます。
「浮世絵」は江戸時代に流行した、庶民的な絵画のことを指します。
江戸を中心に人気を博し、特に版画が人気となりました。
もともとは「大和絵(やまとえ)」を源流にしながら、狩野派や洋画などの様式も取り込んでいきました。
肉筆画と、木版画がありますが、大量生産が可能な木版画が人気となり、庶民に大変な人気となります。
版元と呼ばれる今でいう企業のもとに、作画を担当する「絵師」、また版画を彫る「彫師」、また印刷を担当する「摺師」が集まり、まとまった部数を作り、安い価格で販売していました。
「美人画」と呼ばれる美人をモチーフとした「浮世絵」や、歌舞伎役者のブロマイドとしても人気が高かった「役者絵」、さらに「名所絵」が人気となりました。
「名所絵」には、葛飾北斎の「富岳三十六景」や、歌川広重の「東海道五十三次」などが大変な人気となりました。
19世紀に入るとパリなどヨーロッパに輸出され、「浮世絵」が一大ブームとなります。
有名なヴィンセントファンゴッホも、「浮世絵」を愛して影響を受けた一人になります。
「絵」とは?
「絵」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「絵」は「え」と読みます。
「絵」は「物事や情景を、色や線、かたちなどによって平面上に移したものという意味があります。
いわゆる「絵画(かいが)」のことを指します。
「絵」には、落書きのような簡単なものから、人の顔そっくりに書く「似顔絵」や「肖像画」、人物画や、風景画、静物画など、さまざまなジャンルがあります。
「絵」を描く道具にも様々な種類があり、水彩絵の具を使ったものを「水彩画」と呼び、油絵具を使ったものを「油絵」と言います。
他にも「パステル画」や、「アクリル画」などがあります。
「絵に描いた餅」という言葉には、「どんなに巧みに描いても、食べられない」ことから転じて、「役に立たないもの。
実物でなければ値打ちがないこと」などという意味があります。
「浮世絵」と「絵」の違い
「浮世絵」と「絵」の違いを、分かりやすく解説します。
「浮世絵」は江戸時代に流行した「美人画」や「役者絵」「名所絵」などの総称となります。
一方の「絵」は、様々な画材を使い、描かれたもの全般を指します。
そのため、「浮世絵」も「絵」の中に含まれることになります。
このように「浮世絵」は、江戸時代に流行した、美人画や役者絵などに限定して使う言葉なのに対して、「絵」は、「浮世絵」を含む、平面上に描かれた物事や情景すべてを指すという違いがあります。
まとめ
「浮世絵」と「絵」の違いについて見てきました。
「浮世絵」は、江戸時代に流行した美人画や役者絵などで、「絵」の中に含まれること覚えておくといいでしょう。