パンフレットでよく見かける「お越しください」と「ご来店ください」はどのように違うのでしょうか。
今回は、「お越しください」と「ご来店ください」の違いについて解説します。
「お越しください」とは?
「お越しください」とは、「ぜひとも来て欲しい」という意味の言葉です。
「お越しください」の「越す」は「来る」の尊敬表現です。
一般的には「お越しになる」という形で「来ていただく」という意味になります。
「お越しください」の「ください」は要求や要望を伝えるときに用いられる丁寧語です。
「お越しください」は「お越しになる」に「ください」が合わさった言葉で、意味としては「お越しになる」を「して欲しい」ということを表しています。
全体の意味としては「相手に対して来てほしいと強く望んでいること」を表しており、よりふさわしい言葉として表現すると「是非とも来て欲しい」となります。
「お越しください」の使い方
・『屋外の会場なので暖かい服装でお越しください』
・『皆様お誘い合わせの上お越しください』
・『車に気をつけてお越しください』
・『17時までにお越しください』
「ご来店ください」とは?
「ご来店ください」とは、「店に来て欲しい」という意味の言葉です。
「ご来店ください」の「来店」とは「店に来ること」を意味しています。
販売店や飲食店など金銭の対価として物品やサービスを提供する施設を「店」と言いますが、そのような店を利用するために訪ねて来ることを指す言葉が「来店」です。
相手の行動に対する敬意表現となる接頭語「御(ご)」を付けてさらに敬意を高めたのが「ご来店」です。
「ください」は相手に対する要求や要望を表す丁寧語なので「ご来店ください」とは「相手に対して店に来てほしいと要望していること」を表しています。
「ご来店ください」には「店を利用する」という意味が含まれています。
見せに来るだけではなく物を買ったり食事をしたりなど「店でお金を使って欲しい」ときに使われる表現で、店の利用を含まない場合は「お立ち寄りください」など別の言葉が使われます。
ただし、金銭を払わなくても修理品の持ち込みなど店に関わる目的で来る場合は「ご来店ください」が使われます。
「ご来店ください」の使い方
・『クーポンを利用される方はチラシを持参してご来店ください』
・『混雑を避けるために時間をずらしてご来店ください』
・『感染防止のためマスクを着用してご来店ください』
・『お急ぎの方は電話で事前予約してからご来店ください』
「お越しください」と「ご来店ください」の違い
「お越しください」と「ご来店ください」の違いは「お店かそれ意外か」です。
「お越しください」は自宅や会社、学校などどんな場所に対しても使える表現です。
「ご来店ください」は来てほしいと思っている場所が店である場合のみに使える表現です。
お店の広告なら「お越しください」と「ご来店ください」のどちらも使えますが、公共施設など店以外の場所や施設の案内に「ご来店ください」という表現は使えません。
場所に来て欲しいときは「お越しください」、お店に来て欲しい場合は「ご来店ください」と使い分けられます。
まとめ
「お越しください」と「ご来店ください」はよく似た意味ですがはっきりと使えるケースが異なります。
意味をきちんと理解して混同しないように注意してください。