「シンボル」と「モチーフ」の違いとは?分かりやすく解釈

「シンボル」と「モチーフ」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「シンボル」「モチーフ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「シンボル」とは?

「シンボル」とは?

「シンボル」とは象徴や記号を意味する言葉です。

例えば小説などの物語で王冠を被った男性が現れたら、その男性が痩せ細った老人でも、優しそうなおじさんでも、年若い青年であっても、その人は王様だろうと予想がつくでしょう。

また日常的な場面で日光を遮るような雲が唐突に出てくれば、不吉の前触れであることは想像できるはずです。

こういった物事について直接的な表現ではなく、別の物事でもって表すための、キャラクターや展開の予想や印象づけをしやすくする特徴的な何かが「シンボル」になります。

「シンボル」を使えば言葉少なく状況やキャラクターを説明できるので、絵画や動画のような視覚的に場面を楽しむものでも、小説のような文字を読んで楽しむものでも「シンボル」は多用される手法です。

「モチーフ」とは?

「モチーフ」とは?

「モチーフ」とは題材や動機と言う意味の言葉です。

例えば名前に桃と付く主人公がいて、その友人や仲間の名前に猿、犬、雉や鳥と言った文字が付いていれば、桃太郎を元にキャラクターを作ったと予想できるでしょう。

このように他の何かに影響を受けて作られた作品は世の中に溢れていますがその影響を与えたもの、影響を受けてテーマとして据えたものが「モチーフ」です。

「モチーフ」は小説の題材だけでなく、当然絵を描く際にもなんらかの「モチーフ」を用意して描くことはありふれています。

例えば絵の練習として行われる模写やスケッチは、「モチーフ」となったものを観察し、忠実に再現したり精密に写生することで、描き手としての目を養い、絵の描き方を学ぶという練習方法です。

「シンボル」と「モチーフ」の違い

「シンボル」と「モチーフ」の違い

「シンボル」「モチーフ」の違いを、分かりやすく解説します。

「シンボル」はなんらかの物事を、別の印象的な物事で表現するための象徴となるもので、「モチーフ」は作品を作る動機となったものや、作品のテーマとして据えられている別の作品や思想です。

「シンボル」は作品における道具でしかありませんが、「モチーフ」はその作品の根幹を支えるコンセプトとなっている事も少なからずあります。

ただし「モチーフ」も適当に特徴付けとして名前を拝借したなど軽い利用の範疇で済ませる事もあるので、必ずしも「モチーフ」の重要性が高いわけではありません。

また絵画にしろ小説のような文章にしろ、何らかの「モチーフ」がある場合、それを表現するためには、「モチーフ」に関連する幾つもの「シンボル」を描写することで、その「モチーフ」を表現します。

まとめ

まとめ

創作において他作品の盗作は許されませんが、それを「モチーフ」にして作品を作ることは、多くの作家が経験していますし、露骨過ぎなければ問題になりません。

そして「シンボル」は、「モチーフ」となった作品や、作中のキャラクターや展開を表現するために使われる道具になります。