同じ申し訳ないことを示す言葉として用いられる「恐れ入ります」と「恐縮」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「恐れ入ります」と「恐縮」の違いを分かりやすく説明していきます。
「恐れ入ります」とは?
相手に対しへりくだった言い方となる「恐れ入ります」は、「恐れ入る」という言葉から成り立っている言葉となります。
意味は、相手に対し申し訳ないという気持ちと相手に感謝する気持ちです。
何か自分が起こしてしまったことに対しお詫びの気持ちを伝える意味や相手が自分に対し何かしてくれた時。
また、相手の実力に圧倒されたときにも「恐れ入ります」が用いられます。
このような意味から「恐れ入ります」は言い換えれば、「恐縮です」や「痛み入ります相すみません」、「たいへん畏れ多いことでございます」などとなります。
「恐れ入ります」の使い方
「恐れ入ります」は、用いる場面によって使い方が異なります。
相手に何かをしてもらう場合、「恐れ入りますが、資料を取って頂けますか」。
相手に何か聞く場合、「恐れ入りますが、○○さんはご在宅ですか」。
感謝する場合、「誠に恐れ入ります」といった形になります。
「恐縮」とは?
「恐縮」は、恐れ縮まると書きます。
そのような姿を思い浮かべると、どのような姿なのかがわかってきます。
「恐縮」には、恐れて身がすくむ様子といった意味があり、相手に心から申し訳ないといった様子や謙遜する気持ちといった意味があります。
相手に大変お世話になった時や不都合を掛けたとき、などに「恐縮」が用いられます。
このような意味から「恐縮」は言い換えれば、「恐れ入ります」や「痛み入ります相すみません」、「たいへん畏れ多いことでございます」などとなります。
「恐縮」の使い方
「恐縮」は、用いる場面によって使い方が異なります。
感謝の気持ちを伝える場合、「大変、恐縮でございます」。
了承を得る場合、「恐縮ですが、対応することはできません」。
相手に褒められた際、謙遜する意味として「恐縮です」といった一言で返答することもあります。
「恐れ入ります」と「恐縮」の違い
類語関係にある「恐れ入ります」と「恐縮」ですが、「恐れ入ります」の場合、相手に対する感謝の気持ちや尊敬の気持ちを表す場合が多いのに対し、「恐縮」の場合は、本当に申し訳ないといった意味が強いといった違いがあります。
「恐れ入ります」の例文
・『恐れ入りますが、大変混雑しておりますので、席は、詰めてお座りください』
・『恐れ入りますが、ご主人様はご在宅でしょうか』
・『本日は、お足元が悪い中ご来場いただき、誠に恐れ入ります』
・『恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入ください』
「恐縮」の例文
・『このようなお褒めのお言葉を頂き恐縮です』
・『恐縮ではございますが、今回の話はなかったことにさせて頂きます』
・『お忙しいところ恐縮ですが、早々のお返事をお待ちしております』
・『電話でのご連絡で恐縮ですが、その後、いかがお過ごしでしょうか』
まとめ
同じ意味として用いられることも多い「恐れ入ります」と「恐縮」には、以上のような違いがあります。