この記事では、「衝撃」と「衝突」の違いを分かりやすく説明していきます。
「衝撃」とは?
「衝撃」には2つの意味があります。
ひとつは、きわめて短い時間に大きな力を物体に加えること、またその力です。
継続的な力ではなく瞬間的な力のこと、小さな力ではなく大きな力のことをいいます。
また、この意味では精神的なものではなく、物理的な力を指します。
交通事故があったとき、この力が加えられることが珍しくありません。
不注意で電信柱に車がぶつかりました。
車はそれなりの速度がでています。
速度がある状態で物にぶつかると、瞬間的に大きな力が加わります。
車が電信柱にぶつかった場合は、力が継続して加えられるのではなく、ぶつかったそのときにだけ加えられます。
このわずかな時間に加えられる大きな力をこの言葉は意味します。
もう一つの意味は、思ってもいなかった出来事などによって、強く心が動かされること、またその心の動きです。
プロ野球選手の引退で説明をします。
この選手はプロ野球界で非常に活躍していました。
30歳でまだまだプロとして活躍できそうな年齢です。
ファンや監督からは、これからの活躍が楽しみだと期待されていました。
そんな選手が突然引退宣言をしました。
「まだまだ活躍できそうなのにどうして?」という疑問が多くの人たちの頭によぎりました。
まさか引退するなんて、と思ってもいないことだったので、強く心が揺さぶられました。
このことを「衝撃の引退」などといいます。
「衝撃」の使い方
物理的に瞬間的な大きな力が加えられることや、思ってもいなかった出来事に心を強く揺さぶられることを指して使用します。
どちらの場合も瞬間的なもので、継続的なものには使用しません。
「衝突」とは?
「衝突」には2つの意味があります。
ひとつは、物と物が強い力であたるです。
交通事故のことで説明をします。
不注意によって電信柱に車があたりました。
物と物があたっており、このときの力は強いものです。
これを「電信柱に車が衝突する」といいます。
「あたる」ことに焦点を当てており、そのときに加わる力のことではありません。
もう一つの意味は、立場や利害などが違うもの同士が対立をして争いになることです。
姑は孫を私立の小学校に入れたいといいます。
妻は公立の小学校でいいといいます。
2人の考えは違い、お互い意見を通そうと争っています。
これを「姑と妻が衝突する」といいます。
「衝突」の使い方
ぶつかるという意味で使用をします。
物と物がぶつかること、人と人が立場や利害などを争ってぶつかることです。
「衝撃」と「衝突」の違い
「衝撃」は力のことで、「衝突」は物と物があたることです。
交通事故のことでいうと、車と何かがあたったときに加わる瞬間的な強い力が「衝撃」で、あたったことが「衝突」です。
「衝撃」の例文
・『衝撃が走る』
「衝突」の例文
・『衝突を避けられた』
まとめ
似たような事柄に使われている2つの言葉ですが、それぞれの意味は異なります。