この記事では、「伝送」と「通信」の違いを分かりやすく説明していきます。
「伝送」とは?
伝送とは、でんそうという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事ですが、つたえるとかつたわる、言いつたえ等の意味がある伝の漢字に、物や人を別の場所に運びおくるといった意味の送の漢字を付け加える事で生じた言葉となっています。
だからこそ伝送は、次々に送り伝えるといった意味を表すのです。
「伝送」の使い方
伝送は、順々に伝えて送るとか、電気信号を送って伝える、という意味を表したい時に、使われる言葉となっています。
特に電気信号やデータ等を別の所に伝える際に使用されており、工業分野における専門用語として用いられているのです。
お陰で一般的な日常会話の中で、この言葉が登場する事はほとんどなく、多くの人にとっては余り馴染みのない言葉となっています。
「通信」とは?
通信は、つうしんという読み方をすべき言葉です。
文字で記されたこの言葉を見れば分かる事ですが、言葉とか情報を相手に伝えるや報せるといった意味を持つ通の文字に、遠くまで届く便りや合図といった意味を有する信の文字を組み合わせる事で完成した言葉となっています。
そのため通信は、自分の意思や様子等を手紙等で報せる事や電信や電話等で情報を伝達する事を意味するのです。
「通信」の使い方
通信は、電話やメールといった何らかの方法を用いて、自分の考えや状況を伝えるといった意味で、用いられる言葉となっています。
ただし電気信号を送るだけでなく、手紙やはがきといったやり方で情報を伝える際にも、この通信という言葉を使用する事が可能です。
更に山奥等で携帯電話の電波が通じない時には、回線が悪い、といった言葉が使われたりします。
これは正確には、通信回線が悪い、という意味の表現です。
「伝送」と「通信」の違い
伝送と通信の文字表記を見比べれば、使用されている漢字も読み方も全然違う言葉同士である事に直ぐに気付く事が出来ます。
所がどちらも、情報を伝達する、という同じ様な意味合いを持っている事から、使い分けの際に迷ってしまう人もいるのです。
もっとも伝送は、工業分野の専門用語として使用される事でも分かる様に、必ず電子機器を用いた形での情報の伝達に用いられる言葉となっています。
一方の通信は電子機器だけでなく、手紙や伝書鳩といった原始的な方法も含めた幅広い情報伝達に使用可能な言葉です。
「伝送」の例文
・『そちらの端末に必要なデータを伝送しておきます』
「通信」の例文
・『海がかなり荒れているので、無線で出航中の漁船と通信すべきです』
まとめ
2つの言葉は用いられている文字も読み方も違っており、パッと見は似通った部分はありません。
ですがどちらも情報を伝える、という同じ意味合いを持っている点がややこしい所です。
ちなみに伝送は、電子機器を使用した情報の伝達に限定し、使われる言葉となっています。
対する通信は電気信号だけでなく、手紙等のアナログな方法で情報を伝える際にも利用可能な言葉です。