この記事では、「含む」と「含める」の違いを分かりやすく説明していきます。
送り仮名が異なる言葉を、正しくマスターしていきましょう。
「含む」とは?
含む(ふくむ)とは、その中に入っていること。
そのほかに加えて、プラスされることです。
組み込まれている物の一部を「含む」と呼んでいます。
例えば「子ども5人を含む、20人でスキーに出かけた」という文章があったとします。
このときの「含む」は20人のグループに組み込まれている「メンバーの一員」をあらわしています。
つまり「20人のうち、子どもの数は5人いる」という内容になります。
また「未公開ショットを含む写真集が発売」と いうと、これまで公開されていないシーンを加えた写真集が発売されるということ。
この場合の「含む」は「加える・盛り込む」という訳になります。
大きな集団のひとつに組み込まれているもの、メンバーのひとつであるものが「含む」です。
「含める」とは?
含める(ふくめる)とは、これから加えること。
まだ加えていないけれども、これから組み込んでいくものです。
そうした希望はあるけれども、まだ実現されていないものに「含める」を用いています。
例えば「ホテルバイキングにカニ食べ放題を含めるべきか、話し合いがおこなわれた」だと、ホテルのバイキングにカニ料理を取り入れるべきか、ミーティングしたという訳になります。
この場合の「含める」は「取り入れるべきか」という意味です。
まだ採用してはいないけれども、これから採用するかもしれないというニュアンスが含まれています。
このほか「システム開発費を含めると、赤字になってしまう」という文があったとします。
この場合の「含める」には「もし~だったら~だろう」という仮定の訳が込められています。
「開発費を入れて計算すると、採算が取れなくなってしまう」という意味になります。
このようにまだ加えていないけれども、これから加えるかもしれない「未来をあらわす言葉」が「含める」です。
「含む」と「含める」の違い
どちらも同じ漢字なので、迷いやすいです。
「含む」と「含める」の違いを、分かりやすく解説します。
・過去と未来の違い
「含む」と「含める」の違いは、すでに起きたものか、これから起こるものかの違いです。
例えば「ピーナッツを含むお菓子」というと、ピーナッツを混ぜ込んだお菓子をあらわします。
すでに作られたもの、加えられたものが「含む」です。
そして「含める」には「これから加えようと思っているもの」というニュアンスが組み込まれます。
そのため「ピーナッツを含めるお菓子を売るべきか迷っている」という言い方をします。
過去は含む、未来は含めるです。
まとめ
「含む」と「含める」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「含む」とは、全体の一部に加わっているもの。
過去に加えられたものです。
そして「含める」は全体の一部として、これから足されるもの。
未来に足される予定のものをあらわします。
送り仮名ひとつで、大きく変わる言葉です。