この記事では、「空腸」と「回腸」の違いを分かりやすく説明していきます。
「空腸」とは?
小腸を構成する、十二指腸と回腸の間にある部位です。
胃にやってきた食べものは、胃の中で胃酸の働きを受けてから、十二指腸に送られます。
十二指腸には胆汁やすい液が分泌されており、これらによって食べものがさらに分解されます。
「空腸」は栄養素を吸収する部分です。
腸の表面はひだ状になっており、ここから栄養素が吸収されます。
栄養素をより吸収するために、ひだはさらに細かな突起のようなものがついています。
この部位に見られる病気にクローン病があります。
クローン病は炎症性腸疾患のひとつで、腹痛や下痢などの症状がみられます。
その他には、腸閉塞、消化管出血などの病気が起こることもあります。
この部位はがんが発生することは少なく、発生頻度は5%以下だといわれています。
この部位は免疫が集まっている部位でもあります。
腸内環境を整えることが、免疫力を整えることにつながるといわれています。
「空腸」の使い方
十二指腸の次の部位を指して使用する言葉です。
「回腸」とは?
小腸を構成する部位で、小腸の終わりの部分に位置しています。
この先は大腸です。
腸の表面には突起のようなものがあります。
この突起の表面には、さらに細かい突起のようなものがあります。
これによって表面積が大きくなり、より栄養素を吸収できるようになります。
食べものは口で砕かれ、唾液の中に含まれる酵素によってある程度分解され、胃でもある程度分解されます。
そして、十二指腸で胆汁やすい液などの働きを受けて、さらに分解されます。
ある程度分解されてどろどろな状態にはなっていますが、さらに細かく分解する必要があります。
この部位では食べたものを吸収できる形にするための酵素が分泌されており、さらに細かな状態に分解をしています。
この部位に見られる病気にクローン病があります。
血液検査、内視鏡検査、CT検査などを行い判断をします原因がわかっておらず、根本的な治療法がありませんが、免疫力を抑える薬や炎症を抑える薬などが使用されます。
食事では脂肪や食物繊維が多いものは控えるようにします。
よくなったり、悪くなったりを繰り返すことがあります。
「回腸」の使い方
小腸を構成する、小腸の終わりに位置している部位を指して使用する言葉です。
「空腸」と「回腸」の違い
似たような場所にあり、似たような働きを持っていますが、同じ部位ではありません。
十二指腸の次にあるのが「空腸」で、その次にあるのが「回腸」です。
はっきりした解剖学的な違いはありません。
どちらも体の表面からは見ることができません。
「空腸」の例文
・『空腸を調べてもらいたい』
「回腸」の例文
・『回腸に問題はないだろう』
まとめ
小腸の一部を構成する部位で働きがほぼ同じで、解剖学的な明確な違いはありませんが、この2つは別のものとして扱われています。