「息苦しい」と「呼吸困難」はどちらも息が苦しい状況で使用する表現ですが、詳細な意味合いが異なるため状況によって使い分ける必要があります。
この記事では、「息苦しい」と「呼吸困難」の違いを分かりやすく説明していきます。
「息苦しい」とは?
「息苦しい」は「息を吸ったり吐いたりする際に苦しい」、「胸が圧迫されて息切れする」といった意味を持つ言葉です。
上記のほか、緊張した状況や重苦しいと感じる状況において「息ができないほど苦しい」という意味で使用されることもあります。
「呼吸困難」とは?
「呼吸困難」は「呼吸しにくい」、「息切れする」、「息を吸い込めない」といった症状を示す言葉で、医学用語のひとつとして知られています。
「呼吸困難」は、気管支ぜんそく等の呼吸器疾患が原因で引き起こされるほか、心不全や精神的な原因で発症するケースもあります。
「息苦しい」と「呼吸困難」の違い
「息苦しい」と「呼吸困難」は双方とも「呼吸しにくい」「息切れする」といった意味を持ちますが、「言葉のジャンル」や「使用する状況」に違いがあります。
「息苦しい」は人や物事の状態や性質などを表す「形容詞」のひとつで、「物理的に呼吸しにくい」状況を表現するだけでなく、「極度に慎重している精神状態」や「緊迫している状況」などを強調するために使用されることもあります。
一方、「呼吸困難」は「医学用語」のひとつで、主として病気や心身の不調などが原因で生じる「息切れ」や「呼吸の苦しさ」といった症状に対して使用されています。
「息苦しい」の例文
「息苦しい」は「呼吸するのが苦しい」「息が切れる」など物理的に呼吸が苦しい際に使用するほか、「呼吸器に異常はないが、息が詰まるほど切迫している」といった場面で用いることもあります。
形容詞として使用するのが一般的ですが、「い」を「さ」に変えて「息苦しさ」とすることで名詞としても使えます。
・『ジョギングを習慣にしているが、走り終えたあとはいつも息苦しい』
・『シャツのボタンを上まできっちり留めたら息苦しい』
・『彼女は息苦しい雰囲気に耐えられず部屋を飛び出してしまった』
・『やりがいのある仕事を任されたが、息苦しいほどのプレッシャーを感じている』
「呼吸困難」の例文
「呼吸困難」も「息が苦しい」「スムーズに呼吸できない」ことを意味しますが、何かを形容するというよりも、「身体や精神的な不調から来る息苦しい症状」を指す際に使用する言葉といえるでしょう。
また、「息苦しい」のように比喩的な表現として用いられる機会は少ないと考えられます。
・『呼吸困難は気管支喘息における代表的な症状だ』
・『山登りに興味があるが、標高の高い場所に行くと呼吸困難が起こるかもしれない』
・『彼はアレルギーのある食べ物を食べて呼吸困難に陥ったことがある』
・『呼吸困難が生じた際は、気持ちを落ち着けて新鮮な空気を吸うといった対処方法を試してみてください』
まとめ
「息苦しい」と「呼吸困難」は同じような意味を持つ表現ですが、言葉の種類や詳細な意味合い、使用する場面に大きな違いがあることが分かります。
ぜひ参考にして、健康や日本語に関する知識のアップデートに役立ててください。