何かがくっつくといっても様々な表現の違いがあります。
今回は一般的な使われ方と専門的な使われ方の2つをご紹介します。
この記事では「付着」と「定着」の違いを分かりやすく説明していきます。
「付着」とは
この言葉は一般的な意味としては『何か物が別の物にくっつくこと』を指す言葉です。
例えばペンキを塗っていた時に服にくっついて汚れてしまうことを『服にペンキが付着してしまった』の様に表現すると思います。
また、警察の捜査などで『犯人の指紋が凶器に付着していた』というのもドラマなどで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実は専門用語として建築関連では鉄筋コンクリートを作るときに使われる言葉です。
名前の通り、コンクリートに鉄筋が付着することで組み合わさっているのです。
これはもう少し専門的に説明をすると『異なる二つの物質が接触した時にお互いの分子間の力によって凝着すること』であると言えます。
「定着」とは
こちらは一般的には『ある場所や位置にピッタリとくっつき、落ち着いていること』を表す言葉です。
例えば会社でどんどんと若手従業員が退職するのを『若手の従業員が定着しない。』ということもあります。
また、人々の間に浸透してなじんでいることに対しても『定着』という言葉を使います。
例えば新しいレストランが開店し、地元の人間に愛用されるのを『このレストランは地元に定着した』と表現することもあります。
実は専門用語でも『定着』は存在しており、主に使われるのは写真です。
現像した画像をフィルムや印画紙の未感光部分の感光材を特殊な薬品で除去して再度感光することを防いで写真に写っている画像を安定させること』を指します。
「付着」と「定着」の違い
この二つは『何か別のものと別のものがくっつくこと』か『ある場所や物にピッタリとくっ付いて落ち着くこと』かという違いではっきりと分けることができます。
砕けた表現としては前者が『単純にくっついている』のに対して後者は『しっかりと根付いて協力にくっついている』ともいうことができます。
「付着」の例文
・『レンズに誇りが付着しているので良く見ることができない』
・『動物の毛に付着した種子は遠くに運ばれてその生息範囲を広げています』
・『衣服に付着した血液の鑑定の結果、身の潔白が証明された』
「定着」の例文
・『この国ではすっかり異文化交流が定着しており、とても旅行者に親切だ』
・『今後レギュラーに定着するには熾烈な競争を勝ち抜かなければならない』
・『定期的かつ適度な運動は骨にカルシウムを定着させる働きがある』
まとめ
如何でしたでしょうか。
同じ『くっつく』という言葉でも微妙なニュアンスの違いがあり、また専門用語になるととても厳密な定義があることにお気づきになったのではないでしょうか。
これ以外にも『接着』、『粘着』など多くの『くっつく』という意味に関連した言葉があります。
是非この機会に違いを比べてみてください。