この記事では、「勘弁」と「許す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「勘弁」とは?
「勘弁」は「かんべん」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「他人の過ちや罪などを見逃してあげること」という意味で、直接不利益が生じても見逃してあげることです。
2つ目は「他人の要求を断ること」という意味で、相手に対して自分の不徳を許してもらうことです。
3つ目は「ものごとをやりくりすること」という意味で、仕事などを手際よくこなすことです。
上記に共通するのは「奥深く考える」という意味です。
「勘弁」の使い方
「勘弁」は「他人の過ちや罪などを見逃してあげること」と「他人の要求を断ること」「ものごとをやりくりすること」という意味で使われます。
名詞・形容動詞として「勘弁だ・である」「勘弁する・した」と使われたり、副詞として「勘弁してほしい」などと使われたりします。
基本的に、他人の過ちや罪を許すことや、不徳と思われても他人の要求を断ることに使われる言葉です。
「許す」とは?
「許す」は「ゆるす」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「相手の希望や要求などを聞き入れる」という意味で、特に不都合がないのでそれで良しと認めることです。
2つ目は「相手の過ちや失敗などをとがめずに済ませること」という意味で、相手が悪いと分かっていても責めないで終わらせることです。
3つ目は「相手のした様にさせること」という意味で、相手のやりたいことを認めることです。
4つ目は「ある物事を可能にする」という意味で、時間やものごとの様子、状態などを自由にさせることです。
5つ目は「警戒や緊張などをゆるめる」という意味で、相手と馴染み親しむことです。
上記に共通するのは「寛容に対応する」という意味です。
「許す」の使い方
「許す」は「相手の希望や要求などを聞き入れる」「相手の過ちや失敗などをとがめずに済ませること」「相手のした様にさせること」「ある物事を可能にする」「警戒や緊張などをゆるめる」という意味で使われます。
動詞として「許す・許した」「許される・許された」と使われたり、副詞として「許して逃がした」などと使われたり、名詞として「許しを請う」などと使われます。
基本的に、相手の希望や要求を容認することや、相手の過ちや失敗などを責めずに済ませることに使われる言葉です。
「勘弁」と「許す」の違い
「勘弁」は「他人の過ちや罪を見逃すこと」「不徳と思われても他人の要求を断ること」という意味です。
「許す」は「相手の希望や要求を容認すること」「相手の過ちや失敗などを責めずに済ませること」という意味です。
「勘弁」の例文
・『警察に通報するのだけは勘弁してください』
・『今回ばかりは勘弁できない』
・『借金の保証人だけは勘弁してほしい』
・『酔っぱらって寝込むのは勘弁してくれ』
「許す」の例文
・『隔離期間が終わって外出が許される』
・『後輩の失敗を気持ちよく許す』
・『惜しくも相手に追加点を許した』
・『時間が許す限り話し合いたい』
まとめ
今回は「勘弁」と「許す」について紹介しました。
「勘弁」は「見逃すこと」、「許す」は「容認する」と覚えておきましょう。