この記事では、「観察」と「視察」の違いを分かりやすく説明していきます。
「観察」とは?
物事の状態や変化を主観を離れた視点で注意深く見ることです。
主観的に見ることではありません。
また、いい加減に見ることでもありません。
電車内で人の様子をじっくり見ることで説明をします。
自分の目の前の席に女性が座っています。
この人は髪の毛が肩くらいまでの長さで、ベージュ色のコートを着ていて、黒のパンプスを履いていて、スマホをいじっています。
これは誰が見ても変わらないことで、客観的に見ているといえます。
別の見方をしてみます。
この女性がベージュのコートを着て、黒のパンプスを履いているのは、地味な色が好きだからかもしれません。
スマホをいじっているのは、彼氏からの連絡の確認をしているのかもしれません。
それで、なんとなく微笑んでいるのでしょう。
この見方は主観的です。
微笑んでいるとだけいえば客観的ですが、彼氏からの連絡で喜んでいるというのは事実ではなく、自分の考えが入っており主観的な見方です。
こういった主観を入れない見方が「観察」が意味するものです。
「観察」の使い方
物事の状態や変化などを主観を交えずに注意深く見るという意味で使用をします。
「視察」とは?
実際にその場所に行って、実際のその場所の様子を十分に知ることです。
誰かに代わりに行ってもらって、その報告を受けて知ることではありません。
実際に自分が現場に行って、様子をよく知ることを意味します。
ある地域で、今ダムの建設が進められています。
普段はこの現場には作業者だけしかいません。
あるとき、ダム建設にかかわりのある市長が訪れました。
ダムの建設は順調に行われているか、問題は起きていないかなどを自分の目で確かめるために訪れたのです。
これを「ダム建設の視察」といいます。
市の職員に頼んでダムの様子を見てきてもらうことはできますが、代わりに見てきてもらって報告をしてもらうことは、この言葉が意味するものではありません。
自分で見て、自分で確かめることが、この言葉が意味するものです。
「視察」の使い方
自分がその場所に行って、自分でその場所の様子を見ることを指して使用します。
「観察」と「視察」の違い
何かを見るという点が似ていますが、同じことではありません。
「観察」は客観的に見ることです。
その場所に行ってという意味は含まれていません。
そのため、自宅で飼育している金魚を客観的に注意深く見ることも、この言葉が意味するものに含まれます。
「視察」は、その場所に自分が行って、自分で見ることを意味します。
「観察」の例文
・『あさがおの観察』
・『観察したことをレポートにまとめる』
・『観察記録をつける』
・『観察3日目』
「視察」の例文
・『市長が視察に訪れた』
・『現場を視察する』
・『作業服姿で視察をする』
・『視察で海外に行く』
まとめ
見るという意味を持つ点が似ていますが、どのように見るのかという点に違いがあります。