「事実」と「実態」は類似した語感・意味を持っている混同しやすい言葉ですが、「事実」と「実態」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「事実」と「実態」の例文・解釈も紹介しながら、それぞれの意味の違いを分かりやすく説明していきます。
「事実」の意味や使い方
「事実(じじつ)」という表現は、「実際に起こった事柄・出来事」や「客観的に存在する物事・事柄」を意味しています。
「事実」は「事実、彼は不正をしていました」のように、「本当に(実際に)」を示す副詞的用法の意味合いも持っています。
「事実」の使い方は、「この事件の事実関係を明らかにしていきます」のように、「実際に発生した事柄・現実に存在する物事」の意味で使うという使い方になります。
「実態」の意味や使い方
「実態(じったい)」という表現は、「現実に起きている実際の状態・本当のありさま」や「現実におけるありのままの状態・状況(ネガティブなニュアンスや価値判断を伴いやすい)」を意味しています。
「実態」の使い方は、「不法就労の実態をリサーチしています」のように、「現実のありのままの状態・ありさま」を意味して使うという使い方になります。
「事実」と「実態」の違い
「事実」と「実態」の意味の違いを、分かりやすく解説していきます。
「事実」というのは、「実際に起こった事柄(出来事)」や「現実(客観的)に存在する事物・事柄」、「本当にという副詞的用法の言葉」を意味しています。
それに対して、「実態」という表現は「現実に発生している実際の状態・本当の様子」や「現実におけるありのままの状態」を意味しているという違いがあります。
「事実」は「実態」と比べると、「客観的な現実として発生したり存在したりする物事そのもの」を指示していて、そこに「良い悪いの価値判断」はありません。
しかし、「実態」の言葉は「実際の状態・本当のありさま」を指示していますが、「良い悪いの価値判断(暴力的な生徒指導の実態・ブラック企業の実態を調査するなどの用法)」を伴うことが多い違いも指摘できます。
「事実」を使った例文と意味を解釈
「事実」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「事実ではないことをまるで事実であるかのように週刊誌に書かれて、今はただ困惑しています」
この「事実」を使った例文は、「事実」の表現を、「実際に起こった事柄ではないことを、まるで実際にあったことのように週刊誌に書かれて」の意味を持つ文脈で使っています。
「実態」を使った例文と意味を解釈
「実態」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「子育てをしているシングルマザーの仕事・所得水準の実態を政府が調査すると、半数以上の世帯が相対的貧困の状態であることが分かりました」
この「実態」を使った例文は、「実態」の表現を、「シングルマザーの仕事・所得水準について、現実におけるありのままの状態(現状)を政府が調査すると」の意味合いで使っています。
まとめ
「事実」と「実態」の意味の違いを詳細に説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「事実」という言葉は、「実際に発生した事柄・現実に存在する物事」を意味しています。
それに対して、「実態」という言葉は「現実に起こっている実際の状態・現実におけるありのままの状態」の意味を持っています。
「事実」と「実態」の意味の違いを調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。