理科の実験で使ったことのある顕微鏡ですが、実は種類が存在します。
今回は大きな違いのある『光学顕微鏡』と『電子顕微鏡』について見ていきましょう。
この記事では「光学顕微鏡」と「電子顕微鏡」の違いを分かりやすく説明していきます。
「光学顕微鏡」とは
これは『可視光線を利用して対象を見る顕微鏡』を指す言葉です。
可視光線というのは人間が肉眼で感じることのできる光線のことを指します。
太陽光線や電気の光などがこれにあたり、波長としては380から770ナノメートル程度を指します。
この長短により見え方が赤色から青みのかかった紫色などに変化をします。
我々が虹を七色に感じるのはこれが背景にあります。
我々が一般的に使うのは生物顕微鏡と呼ばれる透過顕微鏡のことを指し、これは主に生物学や医学などの分野で幅広く使用されており、倍率は数十倍から2000倍程度までと様々です。
それ以外にも金属や合金の組織や研磨面、不透明な電子部品などを観察する為の金属顕微鏡や光波の振動方向の分布が一様ではないつねに一定の平面に限られている偏光とよばれるものを利用して対象の光学的性質を調べる偏光顕微鏡、見分けることが難しい微粒子に特殊な照明装置で光を当ててその散乱光によって存在や運動状態を観察する限外顕微鏡、無色透明な物体の部分的な厚さや屈折率の大小によって透過光へ生ずる位相差をフィルターを使って明暗の差に変更をして見える様にする位相差顕微鏡など様々な種類が存在しています。
いずれにせよポイントは『可視光線』にあるというところです。
「電子顕微鏡」とは
これは『高圧で加速された真空中に放射された高速の電子の流れである電子線とよばれるものを電子レンズを使った顕微鏡』を指します。
主にウイルスやDNAなどの1μm(マイクロミリ)という極小の対象物を見ることができます。
1932年に発明され、生物学や医療の分野に大きな進歩をもたらしました。
ポイントは『真空中に放射された』という点です。
これは電子顕微鏡は観察する対象に対して高速の電子線を照射する必要がある為、安定させる為には真空状態だけでなく高電圧をかけて行う必要性のある非常にデリケートなものです。
したがってこれらをコントロールする装置が必要になってくるので、大がかりなものになっています。
「光学顕微鏡」と「電子顕微鏡」の違い
この二つは対象が『可視光線を利用する』か『電子線を利用する』かという違いではっきりと分けることができます。
その他には前者は『数十倍から2000倍』に拡大できるのに対して、後者は『光学顕微鏡の数万倍』に拡大できるという機能的な違いもあります。
設備の大きさや費用としては『電子顕微鏡』の方が各段に規模が大きく高額になるというのもポイントではないでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
一言で顕微鏡と言っても、観察対象を拡大させる方法や規模、設備などが大きく違うのが今回の『光学顕微鏡』と『電子顕微鏡』の違いでした。
『電子顕微鏡』は一般の方はほとんど使うことはありませんが、もしも機会があればその優れた機能を堪能してみるのも面白いかもしれません。