テレビのドラマなどで見られる検事の仕事の中で、最も注目を浴びるのが「地検特捜部」の仕事です。
実際のニュース映像などでも大勢の特捜の職員が被疑者が関係する会社のビルに入って行くような場面が映し出される事があります。
それでは、この「地検特捜部」とはなんでしょうか。
また、「警察」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「地検特捜部」と「警察」の違いを分かりやすく説明していきます。
「地検特捜部」とは?
「地検特捜部」とは、正式には「?地方検察庁特別捜査部」で、東京、大阪、名古屋の3つの地方検察庁に置かれている、政治家の汚職、大型の脱税事件などの特定の事件を捜査するための組織で、「特捜」などと略されます。
通常の事件においては検察が関わるのは警察から被疑者が送検されてからですが、これらの事件に関しては最初から検察が捜査、取り調べを行います。
職員は検事、副検事、検察事務官などです。
「警察」とは?
「警察」とは、警視庁や各地方の警察に属する組織で、国民の安全や犯罪の予防、取締、犯罪者の逮捕、送検などを行う行政機関です。
日本の警察組織は、基本的に都道府県が管轄する組織であり、職員は地方公務員として採用されていますが、警察庁に採用されで各警察に派遣されている俗にいうキャリアと呼ばれる人々や、警視以上の階級のものは国家公務員として働いています。
通常の事件においては捜査、取り調べを行い犯罪の事実が確定したら検察に送致(送検)することで一旦は操作を検察に引き継ぎます。
「地検特捜部」と「警察」の違い
「地検特捜部」と「警察」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは犯罪を捜査して立件することを任務にしているという点では同じです。
しかし、所属する組織と、扱う事件の内容が全く違います。
すなわち、組織としては「地検特捜部」は東京、大阪、名古屋の各地方検察庁に属する組織であり、「警察」は警視庁や地方警察組織に属する組織であるという違いです。
また、扱う事件の内容としては「地検特捜部」が政治家の汚職や大型の脱税などの特定の事件を扱うのに対して、「警察」はその他の全ての事件を扱います。
通常の事件に関しては「警察」が捜査して犯罪が認められれば検察に送致して、そこからは検察が取り調べますが、「地検特捜部」の扱う事件においては最初から検察が捜査するのが特徴です。
「地検特捜部」の例文
「地検特捜部」の例文は以下のようになります。
・『東京地検特捜部が大物政治家の事務所に強制捜査に入りました』
・『地検特捜部の部長は他の部長よりも格が上だと言われています』
「警察」の例文
「警察」の例文は以下のようになります。
・『警察は全ての犯罪を捜査して犯罪者を特定したら送検します』
・『警察官は捜査権を持って、一般の事件の操作を行います』
まとめ
この記事では、「地検特捜部」と「警察」の違いを、解説してきました。
序文でも述べたように、特捜の仕事は世の中に注目されることも多く、特に政治家がらみの事件に関しては、その影響も大きいので他の事件よりは大きく取り上げられます。
しかし、ドラマでも描かれているように、それ以外の検察の仕事も重要で、地味ですが大切なものです。
司法試験を通っで検事になった人たちは、みんな誇りを持って任務に当たっていることは間違いないでしょう。