この記事では、「顛末」と「経緯」の違いを分かりやすく説明していきます。
「顛末」とは?
「顛末」は、問題が発生したりした場合、物事が起きてから終わるまでのすべてです。
つまり、「顛末」は、問題が発生したと仮定した場合、その問題が起きてから、終わるまですべてを記憶していてそれを第3者に話すことになります。
逆にすべての内容を正確に把握していない場合、「結末」だったり、「経緯」という言葉を使用します。
「経緯」とは?
「経緯」は、問題が発生して自体が終息した場合、問題が起こるまでの過程を意味します。
よって、「経緯」は、問題発生までの直前の過程を指し、結末までの過程というよりは問題が発生する前の状況のことを指すことです。
「顛末」と「経緯」の違い
「顛末」と「経緯」の違いは、物事の始まりから終わりまでを指すか、物事が起きて問題化した場合、物事のきっかけを指すかです。
「顛末」は、物事の始まりから終わりまで、「経緯」は、物事のきっかけと考えるとよいでしょう。
「顛末」の例文
・『事の顛末を説明してもらえるだろうか?(会社内の床がものすごく汚れている』
この例は、会社の経営陣の方が、このような事態になったこと、(床が汚れていること)について最初から最後まで説明しろと述べています。
「顛末」は、物事の始まりから終わりまでを指すので、この例では、床が汚れたという事実に対して説明を最初から最後まで話せと述べているのです。
・『顛末次第では、会社を首にすることも否めない』
この例は、問題が起きた事態に対して、最初から最後まで説明をしても内容によっては会社を首にするという例です。
「顛末」は、物事を最初から最後まで説明することでこの例は、説明次第では首だと述べています。
「経緯」の例文
・『山田さんと、田中さんが喧嘩をした経緯はなんだ?』
この例は、山田さんと田中さんが喧嘩を始めてしまった発端について何だと聞いています。
つまり、喧嘩の始まりの理由のみを聞いており、それ以降についてはどうでもよいのでとりあえず、喧嘩の始まりの理由だけを教えろと言っているのです。
・『この経緯では、どうも山田さんが喧嘩の責任であるように思える』
この例は、喧嘩の原因となったのは、山田さんだという例です。
「経緯」は、そのような事態になるまでの家庭なので、この例では山田さんが喧嘩という事態を作った原因になります。
まとめ
「顛末」と「経緯」は、簡単に説明すれば、問題が起きたと仮定した場合、その問題の始まりから終わりまでを述べるか、原因を述べるかです。
「顛末」はより詳しく情報を収集するために使用する言葉で、原因発生から問題の回避法などを分析し再発を防ぐための手法になります。
一方、「経緯」は、原因のみに着目していますので早急に問題を見つけ問題を排除する場合に用いる言葉です。
この2者の言葉を使い分けることでじっくり問題に向き合うか、早々に問題解決を図り、事態を納めるかという違いが生まれるのです。