この記事では、「当面」と「当分」の違いを分かりやすく説明していきます。
似たようにみえる熟語の差を、学んでいきましょう。
「当面」とは?
当面(とうめん)とは、さしあたりのこと。
「今のところは」という意味があります。
これから先は変わるかもしれないけれども、現時点ではこのように進めたいという気持ちを伝える言葉です。
日常生活でも、よく耳にするフレーズです。
「当面」という熟語には「当」と「面」という2つの漢字が含まれています。
「当」には「さしあたって・ちょうど今」という訳があります。
そして「面」には「方向・表立って」というニュアンスがあります。
そのため「当面」で「さしあたっては・今しばらくの間は」という意味になります。
「当面」がどのくらいの期間を指すのかは決められていませんが、長期間ではないもの、短期的な見通しに使われることが多いです。
「当分」とは?
当分(とうぶん)とは、しばらくのこと。
「少しの間は」という意味をもっています。
はっきり期間は決まっていないけれども、しばらくの間はこうしたいという場合に使います。
「当分」は「当」と「分」という2つの漢字で構成されています。
この場合の「当」には「わりあてる」という訳があります。
そして「分」は「時間・とき」をあらわします。
そのため「ある程度の時間をさく」というニュアンスが「当分」には込められています。
「当分」もどのくらいの期間なのか、はっきり定まっていない言葉です。
けれども多くは、中長期的な期間に用いられます。
また、はっきりとしたスケジュールが決まっていない場合にも「当分」といいます。
「当面」と「当分」の違い
どちらも良く似ている熟語です。
「当面」と「当分」の違いを、分かりやすく解説します。
・一時的な「当面」と長期間の「当分」
当面と当分は、同じ「当たる」の漢字が含まれているので、使い分けが難しいです。
ただ「当面」は「当面はセールス価格で販売します」のように、一時的な処置をあらわします。
「当分」が「当分の間、店を閉めます」のように、中長期的な見通しをつたえる言葉なので、期間がそれぞれ異なっています。
つまり「当面」は、さしあたった短い期間のこと。
「当分」は、しばらくという長い期間をあらわします。
ちなみに当面は「当面1か月は海外からの入国を禁止します」のように具体的な時期と、セットで用いられるケースもあります。
そのため、より詳細なのが「当面」、不確かなものが「当分」です。
まとめ
「当面」と「当分」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「当面」には「さしあたり」という訳があります。
「今のところ」という、一時的なニュアンスを含んでいます。
そして「当分」には「しばらくの間」という訳があります。
期間は決まっていないけれども、長らくはこうしていきたい時に用いていきます。
小さな差を正しくつかんで、文章の達人になっていきましょう。