この記事では、「蛮勇」と「勇気」の違いを分かりやすく説明していきます。
「蛮勇」とは?
「蛮勇」とは物事の筋道や道理を気にせず、後先のことを考えずに、不安や躊躇、恥じらいなく気力を見せること、あるいはその気力自体です。
例えば正論を言っている人の正論のせいで誰かが困っていて、その困っている人が大事だからや、その正論を言っている人が嫌いだからと言う理由で、相手の言い分が正しいという道理を無視して立ち向かうなら、それは「蛮勇」と言えます。
このようにその行いが正しいかどうかは考慮せず、自分の感情を優先して強い気力を見せ、大胆な行動に出ることが「蛮勇」です。
「蛮勇」が良い結果を招く事もありますが、自分の感情を優先した行動でしかないので、「蛮勇」の結果ただ自分の立場が悪くなるだけで終わったり、事態がより悪化して周囲に迷惑を掛けることも珍しくありません。
「勇気」とは?
「勇気」とは困難や危険を恐れず、並大抵の人では不安や恐怖でためらってしまうことでも実行する気力のことです。
そういった気力や気概のことなので、「勇気」という概念自体には、正しいも間違っているもありません。
ですが「勇気」という言葉の使い方としては、世間一般の常識や良識に従った行動や、自分の信念を貫くといった、正しい行いのために恐れずためらわない気力が「勇気」と言われます。
逆に正しくない行いのために「勇気」を見せるのは、間違った「勇気」と言われることもあるでしょう。
正しいことを実行するために強い意思や気力を見せることという使われ方をしているため、「勇気」があるということは褒め言葉として使われることも多いです。
「蛮勇」と「勇気」の違い
「蛮勇」と「勇気」の違いを、分かりやすく解説します。
道理や後先のことを考えず感情を優先して恐怖や躊躇なく行動する気力が「蛮勇」で、困難や危険など普通なら躊躇してしまう場面でも躊躇せず行動できる気力が「勇気」です。
「蛮勇」は感情優先で動くので周囲に迷惑がかかることも多く、基本的に周囲から歓迎されません。
一方で「勇気」は正しいことや信念を守るために気力を見せることという使われ方をしているので、「勇気」があることは褒められます。
また「蛮勇」は大胆な行動を見せること自体も「蛮勇」と言い、「蛮勇」を見せる行動のことも指すために使われる言葉です。
しかし「勇気」はあくまで気力や精神力のことだけを指し、それによって行動を起こすことは「勇気」を見せる、「勇気」ある行動とは言われますが、その行動自体を「勇気」とは呼びません。
まとめ
困難や危険に立ち向かう心が「勇気」であり、その中でも道理や後先のことを考えないせいで、事態の悪化や周囲の迷惑を引き起こしがちで考えたらずの「勇気」が「蛮勇」です。
「蛮勇」はたしなめられるのに「勇気」を持つことは褒められるのは、「蛮勇」が人に迷惑を掛ける事が多いからと言えるでしょう。