「育てる」と「育つ」の違いとは?意味を詳しく解釈

「育てる」と「育つ」の違い言葉・カタカナ語・言語

「育てる」「育つ」は類似した意味を持つ似た言葉です。

「育てる」という表現は「朝顔の花を育てる」といった文章で使い、「育つ」という表現も「赤ちゃんがすくすくと育つ」といった文章で使われますが、「育てる」「育つ」の意味の違いはどこにあるのでしょうか?

「育てる」の意味や使い方

「育てる」の意味や使い方

「育てる」という他動詞の表現は、「子供・動物・植物を手間をかけて養い成長させること」を意味しています。

また「育てる」には、「能力・資質などが伸びるように(一人前になるように)教えて導くこと」「小規模で出発した組織・団体などを大きく成長させる」「ある感情・希望・考えを大きくすること」の意味合いもあります。

「育てる」の使い方は、「子供を大切に育てる」の文章のように、「子供・動植物を手間をかけて養い成長させる場合」に使うという使い方になります。

「育つ」の意味や使い方

「育つ」の意味や使い方

「育つ」という自動詞の表現は、「生まれた動植物(生物)が時間が経過するにつれて、次第に大きく成長(生長・成熟)していくこと」を意味しています。

また「育つ」には、「鍛えられたり経験を積んだりして一人前になっていくこと」「小規模で始めた物事が順調に成長・発展すること」「ある感情・考えが大きくなること」の意味もあります。

「育つ」の使い方は、「仔犬が元気に育つ」の文章のように、「子供・動植物が時間経過に合わせて、段階的に大きく成長していく」という意味で使う使い方になります。

「育てる」と「育つ」の違い

「育てる」と「育つ」の違い

「育てる」という表現は、「誰かがまだ小さい子供・未熟な動植物を、手間をかけて養ったり面倒を見たりして成長させること」を意味していて、「育てる」の言葉は「~を育てる」という他動詞として使われます。

それに対して、「育つ」という表現は「その子供(その動植物)自らが時間の経過に従って、段階的に大きく成長(生長)・成熟していくこと」を意味しているという違いがあるのです。

「育てる」の言葉は「~を育てる」の他動詞として機能しますが、「育つ」の言葉は「~が育つ」の自動詞として機能するという違いが認められます。

「育てる」を使った例文と意味を解釈

「育てる」を使った例文と意味を解釈

「動物好きの彼女は、小さな頃から仔犬・仔猫を可愛がって大切に育てることが好きでした」

この「育てる」を使った例文は、「育てる」という表現を、「小さな頃から仔犬・仔猫を可愛がって大切に手間暇かけて成長させることが好きだった」という意味合いで使っています。

「育つ」を使った例文と意味を解釈

「育つ」を使った例文と意味を解釈

「子供が毎年すくすくと育つ姿を見ていると、親は自分もいつの間にか年を重ねていることに気づきます」

この「育つ」を使った例文は、「育つ」という表現を、「子供が毎年すくすくと、時間経過に合わせて大きく成長していく姿を見ていると」という意味を持つ文脈で使用しています。

まとめ

まとめ

「育てる」「育つ」の意味の違いについて解説してきましたが、「育てる」の表現は「子供・動植物を養って大きくすることの他動詞としての性格」に意味の重点があります。

それに対して、「育つ」の表現は「子供・動植物が自然な時間経過に従って大きくなっていくことの自動詞としての性格」に意味の重点があります。

「育てる」「育つ」の意味の違いを正しく理解して、内容や文脈・状況に応じて適切に使い分けるようにしましょう。