この記事では、「漁夫の利」と「棚からぼたもち」の違いを分かりやすく説明していきます。
「漁夫の利」とは?
「漁夫の利」は「ぎょふのり」と読みます。
意味は「二者が争っている間に苦労することなく第三者が利益を得ること」です。
二者の間に争いごとが起きて、お互い必死でケンカしている間に、こっそりと第三者が動いて利益を得てしまうことです。
1つしかないものを争っている間に、他の誰かがいつの間にかそれを手にしてしまった時などに使われます。
「漁夫の利」の由来
「漁夫の利」の由来は、中国の歴史的書物である「戦国策」の中に記載されている説話からきています。
ある時、シギという鳥が、ハマグリをついばもうとしたところ、ハマグリが口を閉じたので膠着状態になりました。
シギは「このまま雨が降らなければお前は干からびて死ぬ」と言い、ハマグリは「このまま私が口を開かなければお前も干からびて死ぬ」と言い争っていました。
そこへ漁夫がやってきて、争っているシギとハマグリをいとも簡単に捕らえてしまったという話です。
この話は、中国の戦国時代に、趙(ちょう)が燕(えん)を討たんと計画していたことを知り、燕の王が趙の王に、たとえて話し「私たちが争って疲弊している間に、第三国である秦が襲ってきますよ」と伝えたところ、趙の王が納得して戦を中止したとことで使われる様になりました。
「棚からぼたもち」とは?
「棚からぼたもち」は「たなからぼたもち」と読みます。
意味は「大して苦労もしていないのに、思いがけず幸運に出会うこと」です。
ほとんど苦労もしていないのに、ある日突然思いがけない状況が起きて、それが自分にとって幸運なことであるということです。
貰った宝くじが高額当選したり、たまたま食事に招かれたら恋人まで紹介してもらえた時などに使われます。
また、現在では略して俗語として「棚ぼた」などと使われています。
「棚からぼたもち」の由来
「棚からぼたもち」は、棚の下で寝ていたところ、何かの拍子でぼたもちが落ちてきてたまたま口に入ったことから来ています。
昔は甘いものは貴重とされ、ぼたもちはお彼岸など特別な機会に作られるものでした。
まさか棚の中にぼたもちがあると思わず、しかもそれが落ちてくるとも思わず、さらにそれが口の中に入るとも思っていないことから、大した苦労もしないのに思わぬ幸運がやってくることとして使われる様になりました。
「漁夫の利」と「棚からぼたもち」の違い
「漁夫の利」は「二者が争っている間に苦労することなく第三者が利益を得ること」という意味です。
「棚からぼたもち」は「大して苦労もしていないのに、思いがけず幸運に出会うこと」という意味です。
まとめ
今回は「漁夫の利」と「棚からぼたもち」について紹介しました。
「漁夫の利」は「第三者が利益を得る」、「棚からぼたもち」は「自分が思わぬ幸運を得る」と覚えておきましょう。