最近IT関連の用語でよく聞くようになったものとして「UX」というものがあります。
これは以前「UI」と言っていたような気がすると思っている方も多いと思いますが、実際には単に言い方を変えているだけではなく、根本的に考え方が違う言葉なのです。
それでは、それぞれの意味はなんでしょうか。
この記事では、「UI」と「UX」の違いを分かりやすく説明していきます。
「UI」とは?
「UI」とは、英語の「user interface」の略で、日本語で言う「ユーザーインターフェース」、すなわち、画面での操作のことを示す言葉です。
言葉を変えれば「画面設計」と「入出力設計」を合わせたものです。
例えば、電子メールのソフトウェアで言えば、左にメールのリストがあって、右側に選択したメースの本文が表示されていて、上にメニューのアイコンが並んでいると言うようなものが「画面設計」で、ボタンをクリックすると新たに新規作成の画面が開いて、本文を入力して、フォントなどを変えたりして送信ボタンを押すとそのメールが送信済みBOXに移動すると言うのは「入出力設計」になります。
「UX」とは?
「UX」とは、英語の「user experience」の略で、日本語では「ユーザー体験」と言います。
この言葉は最近になって広く使われるようになったもので、「UI」のような単に画面上の操作だけではなく、ユーザーに提供している機能や価格などの全ての要素を含んだものになっています。
この言葉は1990年あたりから使われるようになり、背景には製品やサービスの優位性が「その製品やサービスが優れている」と言うことにあるのではなく、「その製品やサービスがユーザーに与える価値」と言う面で見直されたと言うことがあるでしょう。
つまり、重要なのは作り手の判断ではなく、使い手の判断であると言う、ある意味当然のことを言っているのです。
「UI」と「UX」の違い
「UI」と「UX」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは一般的にはIT関連の製品やサービスにおけるユーザーに相対するものであることは同じです。
大きな違いはそれぞれの示す範囲です。
すなわち、「UI」という言葉で語られるときの範囲は「ユーザーに見えている画面」に限定されますが、「UX」という言葉は、その画面以外にも、データの持ち方、使い勝手、サービス内容など様々なものが含まれます。
つまり、「UI」の改善は「画面設計」であるのに対して、「UX」の改善は「全ての設計」によって成されます。
「UI」の例文
「UI」の例文は以下のようになります。
・『このプログラムのUIは貧弱です』
・『伝票入力のUIを改善して、手間を省いてください』
「UX」の例文
「UXの例文は以下のようになります。
・『この製品がもたらすUXは今までのものとは全く違います』
・『このサービスにおけるUXは、とことん便利であることに注力しています』
まとめ
この記事では、「UI」と「UX」の違いを、解説してきました。
ここまでの説明で、これからのITの製品やサービスにおける「UX」が重要なものであることはお分りいただけたと思います。
これは、それらを提供している企業だけの話ではなく、今、あなたが作成中である、お客様への「時候のあいさつ文」を見ていただければ、そこにも「UX」が存在していることが分かると思います。
つまり、「UX」とは「思いやりの気持ち」と言い換えることもできるのです。