「卸売」と「仲卸」の違いとは?分かりやすく解釈

「卸売」と「仲卸」の違いビジネス・就職・転職

小売業にとって仕入れ先に当たる役割として「卸売」「仲卸」がありますが、このふたつはどのような違いで区別されるのでしょうか。

今回は、「卸売」「仲卸」の違いについて解説します。

「卸売」とは?

「卸売」とは?

「卸売」とは、「生産者や製造者と直接取引して中間業者に販売する業者」を意味する言葉です。

すべての商品は大元となる生産者からいくつかの業者や人の手を経由して最終消費者へと届けられます。

生産者とは商品を作ったり手に入れたりする最初の役割のことで農業なら農家、漁業なら漁師を指し、製造者は工業製品を生産する工場などを指す言葉です。

流通の最初の段階に当たる「商品を生産者と直接取引で入手し主に中間取引に販売することで利益を得ている業者」を指して「卸売」と言います。

「卸売」「卸」には「一般市場に商品を供給する大元の売り手」という意味があり、流通においては「ほかの販売業者に販売する業者」を指します。

「卸売」の使い方

・『卸売の大手に就職する』
・『豊洲市場ではたくさんの卸売業者が取引に精を出している』
・『原材料価格の上昇は卸売に取っても頭の痛い問題だ』
・『我が社は卸売専門なので一般販売は行っていません』

「仲卸」とは?

「仲卸」とは?

「仲卸」とは、「他の業者から商品を仕入れて小売店に販売する業者」を意味する言葉です。

ある商品が流通するとき、商品の運搬や保管にもコストが発生します。

小売業者がそれぞれ保管設備や運搬車両などを用意するとなるとコストがかさんでしまいますが、流通においてそのような役割を代替するのが「仲卸」です。

「仲卸」は生産者や製造者とは直接取引せず直接取引によって商品を仕入れた業者から仕入れます。

流通の中間で商品をやりとりすることから「中間業者」と呼ばれることでもわかるように「仲卸」の役割は「商品の仲介」です。

いろいろな商品の中から良い物を選ぶためには知識や経験が必要です。

「仲卸」は小売店の代理として商品の目利きを行い品質の良い商品や要望に合う商品を提供します。

「仲卸」の使い方

・『腕の良い仲卸のもとには多くの小売店が集まる』
・『場外市場には多くの仲卸が店を構えている』
・『小売店の要望にどれだけ応えられるかが仲卸の腕の見せどころだ』
・『仲卸との取引を見直すことになった』

「卸売」と「仲卸」の違い

「卸売」と「仲卸」の違い

「卸売」「仲卸」の違いは「取引相手」です。

「卸売」の仕入れ先は市場に直接商品を供給する生産者や製造者で仕入れた商品は「仲卸」などの中間業者に販売します。

「仲卸」の仕入れ先は「卸売」です。

「卸売」から仕入れた商品を小売店など消費者相手に商売する業者に販売するのが「仲卸」のビジネスモデルです。

商品流通の流れにおいて最初に取引するのが「卸売」、中間で取引するのが「仲卸」です。

どちらも消費者相手に取引せず業者間取引が専門ですが、近年は流通コスト削減のために小売店が「卸売」と直接取引したり「仲卸」が消費者相手に一般販売するケースも増えています。

まとめ

まとめ

「卸売」「仲卸」をひとまとめにして「卸業者」と呼びますが、同じ卸業者でもそれぞれ役割やビジネスモデルが異なります。

両者の違いを知りたいなら流通の流れを意識しましょう。