この記事では、「損益計算書」と「賃貸対照表」の違いを分かりやすく説明していきます。
「損益計算書」とは?
「損益計算書」とは一定期間ごとの決算のために、その期間中どのような業績を残したのかを計算したものです。
収益と費用で計算されている売上総利益や営業利益、当期利益などの項目が並び、言葉の文字通り、その期間の損失や利益が見て解りやすいようにできています。
「損益計算書」はその期間の間にどれだけ儲けることができたか、あるいはお金を失うことになったのかを明確にするため、「損益計算書」を見ればその企業がどれだけお金を稼ぐ能力を持っているかも明確です。
企業がその期間にどれだけお金を稼ぐことができたか、引いてはその期間中どれだけの収益性を持った企業であったかを、複式簿記を使って解りやすい形にまとめた物が「損益計算書」になります。
「賃貸対照表」とは?
「賃貸対照表」とはその時点でどれだけの資金や資材を持っていて、どれだけ返済しなければいけない借金を持っているかを表す書類です。
資産と負債のバランスを示しているので、バランスシートとも呼ばれます。
企業の持っているお金と残っている負債、そしてその企業の純粋な資産が記載されているので、その企業がどれだけお金持ちかという財政状態が明確です。
「賃貸対照表」はその時点で企業がどれだけのお金を持っているかを表したものであり、過去の財政状態は関係ありません。
また計算には過去の「賃貸対照表」から今回の「賃貸対照表」を作るまでにどれだけの損益が出ているかで計算されるので、多くの場合「賃貸対照表」は「損益計算書」と一緒に作られます。
「損益計算書」と「賃貸対照表」の違い
「損益計算書」と「賃貸対照表」の違いを、分かりやすく解説します。
「損益計算書」はその期間でどれだけの利益あるいは損失を出したかを示すもので、「賃貸対照表」はその時点でどれだけの資産を持っているかを示すものです。
「損益計算書」は既に過ぎた一定期間でのお金のやり取りが表にされていますが、「賃貸対照表」は現時点での財政状態だけであり、過去はどうだったかは関係ありません。
また「損益計算書」はどれだけのお金を使い、どれだけのお金を稼ぐことができるかという収益性を示します。
対して「賃貸対照表」が示しているのは、その企業が幾らのお金を持っていて、幾らのお金を返さないといけないのか、純粋に自分のお金と言えるお金はいくらなのかという金額です。
まとめ
「賃貸対照表」はいちいち資産を確認して作るのではなく、前回のものから今回までどれだけお金を使ってどれだけ稼いだかを足し引きすることで作られることが多いので、そのお金のやり取りをまとめたものである「損益計算書」と一緒に作成してしまうことがほとんどです。
ですが「損益計算書」と「賃貸対照表」は同じものでもセットとして扱うものでもないので、それぞれが何を確認するためのもので、何のために作られているかは覚えておきましょう。