「利益相反取引」と「競業避止義務」の違いとは?分かりやすく解釈

「利益相反取引」と「競業避止義務」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「利益相反取引」「競業避止義務」の違いを分かりやすく説明していきます。

今さら上司に聞きにくい言葉を、学んでいきましょう。

「利益相反取引」とは?

「利益相反取引」とは?

利益相反取引とは、会社の経営者が自分に都合のいい取引をおこなうこと。

結果的に会社全体にとっては、損となってしまうやり取りを示します。

つまり企業のトップと会社の利益が相反する、ミスマッチな状態です。

通常はあり得ない状態なのですが、知らずにこのような行為をおこなうと、後から株主の反発を招くこともあります。

そのため利益相反取引をおこなう場合は、事前に株主や役員に対する丁寧な説明をおこないます。

また株主総会を開いて、問題をつまびらかに話し承認してもらう必要があります。

承認をもらわず一方的に経営者が利益相反取引を進めると、会社法に違反する事態になります。

取引そのものが無効となる場合もあるので、留意しておくことが大切です。

「競業避止義務」とは?

「競業避止義務」とは?

競業避止義務とは、社員がライバル社に転職すること、同じ分野の会社をあらたに設立することを控えるように定めたルールのこと。

技術力の高いスタッフの転出を防ぐために、会社が予防策として実施しているものです。

「競業避止義務」は入社時の契約書にも記載されているため、最近よく見かける言葉になります。

万が一「競業避止義務」に違反している実態が浮き彫りになったら、退職金に制限をかけ、損害賠償を請求されるケースもあります。

「競業避止義務」の期間は、退職後およそ1年程度とされています。

ちなみに「競業避止義務」は社員だけではなく、取締役にも適用がおこなわれます。

ただ社員の「退職後の転職」には一定の努力義務が課せられているのに対して、取締役の縛りは緩やかなものになっています。

「利益相反取引」と「競業避止義務」の違い

「利益相反取引」と「競業避止義務」の違い

どちらも会社内の行為を、予防するための取り決めです。

「利益相反取引」「競業避止義務」の違いを、分かりやすく解説します。

・取締役に使われるのは「利益相反取引」
「利益相反取引」「競業避止義務」はよく似ていますが、蓋を開けてみると、かなり内容が異なっていることが分かります。

「利益相反取引」は取締役が、きちんと業務をおこなっているか見守るための規則です。

そして「競業避止義務」は、おもに社員による情報漏えいを防ぐための取り決めです。

利益相反取引は取締役が、会社の利益よりも自分勝手な利益を追求することを防ぐ規則です。

競業避止義務はライバル他社への安易な転職によって、企業価値が大きく下がることを防ぐ規制となっています。

見た目は似ていますが、その目的が大きく異なっています。

まとめ

まとめ

「利益相反取引」「競業避止義務」の違いを分かりやすくお伝えしました。

「利益相反取引」は取締役が会社の利益よりも、自己都合を優先させる取引のこと。

そして「競業避止義務」は社員のライバル他社への転職を規制する、企業の取り決めです。

基礎知識を深めておきましょう。