この記事では、「王政復古」と「復古王政」の違いを分かりやすく説明していきます。
「王政復古」とは?
「王政復古」とは政治を取り仕切る支配力と政治形態を失っていた王族が、再び支配力と君主制の政治形態を取り戻して政治を取り仕切ることができる立場へと戻ることです。
なぜ支配力を失うことになったのか、なぜその政治形態を取り戻すことができたのかは問われません。
新しい政治形態に変わったもののそれが崩壊して元の君主制に戻った場合でも、革命によって王政が廃止された後国民によってやはり王が必要だと請われて王政が復活した場合でも、どちらもその王政が復活することを「王政復古」と言います。
また歴史の話題で「王政復古」という言葉が出た場合、ただ政治形態が以前の君主制に戻るという意味ではなく、イングランドのチャールズ2世、フランスのルイ18世、日本の明治維新のいずれかを指して使われることも多いです。
「復古王政」とは?
「復古王政」とは一度支配力を失った後に、再び国を取り仕切ることになった、王を頂点とした君主制の政治形態のことです。
「復古王政」は支配力を取り戻し、政治形態として再び採用されることになったという出来事を指すのではなく、「王政復古」したあとの、王様が臣下と国の政治を取り仕切っている政治形態のことを指します。
一度途絶えたものの復古した王政だから「復古王政」です。
「復古王政」という言葉は、その政治形態に戻る事になった出来事について語る時ではなく、その支配者層に戻った王政が何をしたかについて語りたい時に使われます。
あくまでも政治形態が戻ることではなく、戻った政治形態そのものを指すのが「復古王政」です。
「王政復古」と「復古王政」の違い
「王政復古」と「復古王政」の違いを、分かりやすく解説します。
一度王政から他の政治形態に変化した後、また王政へと戻ることが「王政復古」であり、その再び戻った王政を指すのが「復古王政」です。
「王政復古」はあくまでも再び王政に戻るという出来事を指していて、「復古王政」は戻った王政という政治形態自体を指しているというのが大きな違いになります。
使われ方に関しても、王政が力を取り戻したという歴史において、何を発端として何が起きて支配者として返り咲いたのかという出来事を語る時に使うべき言葉は「王政復古」です。
一方でどの時期の王政を指すかであったり、復古した後にどのような政治をしたかについて語る時には「復古王政」を使うという、使われ方の違いもあります。
まとめ
熟語の前後が変わっただけであり、どちらも実際に王政が復古した歴史的に大きい3つの事例を指して使われることもあり、混同してしまうのも仕方がないかも知れません。
「王政復古」は復古したこと、「復古王政」は王政という、後ろの2文字を重視した言葉だと覚えておくと、何を指している言葉なのかと、それぞれの言葉の違いが判別しやすくなります。