私達が何気なく使っている日本語には同じ発音をしても、全く異なる解釈となる同音異義語が数多く存在しています。
その中で、「たつ」という読み方をする言葉にも、「断つ」と「絶つ」が挙げられますが、これらの違いとは、どのようなものなのでしょうか?
「断つ」の意味や使い方
「断つ」は、色々な解釈ができます。
「つながっているものを切り離す」、「切断する」という意味や「これまで続いていた物事や関係を止めて終わりにする」などの意味を持っています。
そのことから、「鎖を断つ」、「糸を断つ」、「酒を断つ」、「消息を断つ」、「回路を断つ」などの使い方ができます。
「回路を断つ」などは「回路を遮断する」と置き換えると理解しやすいでしょう。
「絶つ」の意味や使い方
「絶つ」には、「終わらせる」や「尽きさせる」、「紐を切る」などのことを意味しています。
「鎖を絶つ」、「はらわたを絶つ思い」、「諸悪の根源を絶つ」などの使い方があります。
また、この他にも「必要な通路を途中で通れないようにする」という解釈から「補給路を絶つ」や「退路を絶つ」という使い方をする場合もあります。
「命を絶つ」、「望みが絶たれる」という表現もありますが、「絶望」というニュアンスが込められています。
「断つ」と「絶つ」の違い
では、「断つ」と「絶つ」には、どのような違いがあるでしょうか?
「断つ」は「続いてきた物事をたやす」や「つながりをなくす」という解釈がなされ、具体的、あるいは一時的な表現として使われることが多いのです。
もう1つの「絶つ」も「継続的な物事をたやす」、「つながりをなくす」というように「断つ」と同じ意味で理解することができます。
しかし、「絶つ」の方は、抽象的で永続的な表現として使われることが多く、再びつながることがない場面を想定することができます。
特に状況が終わることを表現する場合に使われています。
「断つ」を使った例文と意味を解釈
「断つ」を使った例文を見てみると「貿易摩擦が激化してきたことから、国交を断つことになってしまった」というような使われ方をしています。
歴史的に長い年月の中で、交流のあった国同士が、貿易摩擦という問題で「関係を断つ」という悲しくも残念なことになることがあります。
「絶つ」を使った例文と意味を解釈
「絶つ」を使った例文を眺めてみると「敵の退路を絶つことで、殲滅を図ることに成功した」というような使い方もできます。
前述のように「必要な通路などを途中で通れないようにする」という意味合いがある言葉ですが、意図的な行動とした受け止めることもできる使い方でしょう。
まとめ
「断つ」と「絶つ」の2つの言葉を見てきましたが、それぞれの意味合いを使った理解頂くことができたでしょうか?
これらの言葉の使い分けは、結構難しく思えるのですが、「遮断」や「絶望」、「絶縁」などの言葉で置き換えてみると、それぞれの言葉の意味合いが見えて来ます。