近年、耳にすることが増えている「孤独死」と「独居死」。
この2つの言葉が指す意味には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「孤独死」と「独居死」の違いを分かりやすく説明していきます。
「孤独死」とは?
「孤独死」に用いられている「孤独」とは、仲間や身寄りがない状態、ひとりぼっちである状態を意味します。
そんな「孤独」という言葉に「死」が付け加えられる「孤独死」には、誰にも気づかれることなく一人きりで死ぬことといった意味があります。
独り暮らしの人が突然、死に至り、そのまましばらくの間、誰にも気づかれない状態を主に「孤独死」と言います。
「孤独死」に至る人の特徴には、経済的に余裕がない人が多く、独身者や高齢の男性に多い傾向があります。
このように聞くと、完全に社会から孤立している人の死を指すように思えますが、そうではありません。
「孤独死」の場合、完全に社会から孤立しているわけではなく、人間関係や親戚関係を継続している人が多くなります。
そのため、発見する人も親族や知人といった場合も少なくありません。
また、そのような人が連絡の取れないことを気にし、管理会社などに確認をお願いすることも多くあります。
このように、「孤独死」の場合、完全に社会から孤立している人の死ではなく、独り暮らしなどの理由で、死に至る際、誰にも看取ってもらうことができず、1人で自宅で亡くなることを意味し、その後、数日間、誰にも発見されない状態を意味するものとなります。
「独居死」とは?
「独居死」に用いられている「独居」とは、独り暮らしを意味します。
このように独り暮らしを行っているものが亡くなることを「独居死」と言います。
この「独居死」の場合、亡くなった人は完全に社会から孤立している人が多く、親戚付き合いも友達付き合いも断ち切っている人がほとんどです。
「独居死」の多くは高齢者で、金銭的に余裕がなく周りに頼れる人がいない人がほとんどです。
そのため、「独居死」の場合、長期間、亡くなっていることに気付かれないといった特徴があります。
また、近年では結婚せずにいる中高年世代においても、「独居死」が増えている傾向にあります。
両親が亡くなり、その後、親戚付き合いなども途絶え、そのまま、実家で亡くなってしまう中高年の「独居死」も少なくありません。
「孤独死」と「独居死」の違い
独り暮らしのものが誰にも看取られずに自宅で亡くなるといった共通点を持つ「孤独死」と「独居死」ですが、亡くなった人が持つ人間関係に大きな違いがあります。
「孤独死」に至る人の場合、親戚付き合いや友達付き合いなどは継続している人が多く、その結果、早期発見が多い傾向にあります。
それに対し、「独居死」の場合、親戚付き合いなども断ち切っている人が多いため、長期的に亡くなっていることが発見されないといった違いがあります。
まとめ
どちらも、独りで亡くなるといった意味では同じ言葉ですが、微妙な違いで使い分ける必要がある言葉となります。