似たような意味で使われる言葉に「断線」と「切断」があります。
このふたつはどのように使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「断線」と「切断」の違いについて解説します。
「断線」とは?
「断線」とは、「線が切れてつながりが断たれること」を意味する言葉です。
糸やヒモ、ケーブルなど「細長くのびて線になっているものが切れること」を「断線」と表現します。
線状のものであれば用途や材質に関係なく使われる表現です。
一般的には「線状のものが切れることによりつながりが断たれてしまう連続性の喪失」を強調するときに用いられることが多く、物体が切れてつながりが断たれてしまったことにより不具合が生じることや生じた不具合に重きをおいています。
一般的には「電線やケーブルなど電気機器内の配線が切れて正常に動作しなくなる不具合」という意味合いで使われます。
断線が生じると電流が正常に流れなくなったり回路のつながりが断たれたりして正常に動作しなくなります。
場合によっては「断線」した部分からショートした電流により火花が散るなど被害につながる恐れもあるので早急な対応が必要です。
機械装置以外にも電線や電話線、鉄道路線など「つながっていることで正常に機能しているものが切れて通じなくなること」を指して「断線」と表現します。
「断線」の使い方
・『台風により電線が断線し一体が停電してしまった』
・『電話線が断線したので不通が続いている』
・『故障の原因は電源回路の断線だと判明した』
・『はんだごてを使って断線を修理する』
「切断」とは?
「切断」とは、「物を切って断つこと」を意味する言葉です。
刃物などを用いて塊やつながりのあるものを分割することを「切る」といいます。
「切断」は切る作業のうち「思い切り良くバッサリと断ち切る」ことを表します。
「切断」が用いられるのは「つながりを断つことを重視しているとき」です。
物を切る目的はさまざまです。
小さく切り分けたりサイズをそろえたりなどいろいろな目的がある中で大きさや出来栄えよりも切り離してつながりを断つことのほうが重要視されるときに「切断」という表現が使われます。
一般的に思い切り良く一気に断ち切ることを表しますが結果として切りはされていれば「切断」と表現されます。
「切断」には「つながりを断つ」という意味もあります。
こちらの意味合いでは物理的ではない方法にも使われます。
「切断」の使い方
・『チェーンソーで大木を切断した』
・『テントを張っているロープが切断されてしまった』
・『交信を終了して通信回線を切断する』
・『海底ケーブルが切断された原因は今だ不明である』
「断線」と「切断」の違い
「断線」と「切断」の違いは「対象物」です。
「断線」は対象が細長い線状の物体に対してのみ使われる表現なのに対し「切断」はあらゆる物体やつながりのあるものに対して使える表現です。
先によってつながっていたものが断ち切られるのが「断線」、つながっていたものが切り離されるのが「切断」という違いで使い分けられます。
まとめ
「断線」と「切断」は意味が重複する部分もありますが使える対象や場面が異なるので注意が必要です。
どんなものが断たれたのかに注目してふさわしい表現を選びましょう。