この記事では、「実地」と「実施」の違いを分かりやすく説明していきます。
同じに見える熟語を、正しく選別していきましょう。
「実地」とは?
実地(じっち)とは、現場のこと。
実際に仕事がおこなわれている空間をあらわします。
また実際のありさま、真実の状況という意味もあります。
文書に書かれたことだけでは分からない、リアルな内容をあらわします。
机上の空論ではないものが実地です。
実地は色々なシーンで幅広く使われています。
例えば実地研修というと病院や老人ホームなど、実際に仕事をおこなう現場でのぞむ研修のこと。
また「実地」の「実」には「うそではない」という意味があります。
そのため国税庁の実地調査というと、納税者の申告内容と実情に違いがないか調べる作業をあらわします。
仕事現場や実際の様子を伝える熟語が実地です。
「実施」とは?
実施(じっし)とは、具体的におこなうこと。
始めることをあらわしています。
おもに国や地方自治体、企業がある施策やイベントを開催することが実施です。
実施は「行動する」という意味合いの「施」が入っています。
そのため催し事やイベントを特定の日に開催すること、一定の期間ずっとその事業をおこなう状態を実施といいます。
また実施の対義語は中止です。
準備していたイベントを、何らかの事情によってキャンセルすること、取りやめることを中止といいます。
実施と中止はセットにして、覚えておきたい語句です。
「実地」と「実施」の違い
どちらも「実る」という漢字が入っています「実地」と「実施」の違いを、分かりやすく解説します。
・現実は「実地」、開始は「実施」
「実地」と「実施」は、見た目は同じように思えます。
ただその意味合いは、大きく異なっています。
まず実地は「実際に業務をおこなっている現場」をさします。
多くの人が汗水たらして働いている職場、学んでいる施設が実地です。
また実地には「本当の姿」という意味もあります。
そのため企業が架空の水増しや不正請求をおこなわないように、行政がおこなう手ほどきを実地指導といいます。
コンプライアンスにのっとった仕事をしているか、職員が現場に行って指導することです。
また読み方の似ている「実施」は、ある事業をスタートさせること。
催事やイベントを開くこと、事業を始めることを示しています。
また「実施率」というと、どのくらいの人や企業がある行動を取っているか実態をあらわしたものです。
まとめると仕事現場や、実際の状況が実地。
事業を始めることが実施です。
まとめ
「実地」と「実施」の違いを分かりやすくお伝えしました。
それぞれ「じっち」そして「じっし」と読みます。
読み方は似ていますが「実地」には「仕事の現場・実際の数字」という意味があります。
また実施は進めていた計画や事業、催事を始めることです。
実地は実地検査や実地指導など、第三者が監査にはいるシーンでも用いられています。