この記事では、「問題提起」と「問題提議」の違いを分かりやすく説明していきます。
その場にふさわしい言葉を覚えていきましょう。
「問題提起」とは?
問題提起(もんだいていき)とは、対応して欲しい課題を投げかけること。
困っていたり悩んでいたりする事柄を、持ち出すことです。
その人が抱えている問題点を、ある場で話題にすることを問題提起といっています。
そもそも問題提起の「提起」には「疑問に思っている事柄について、大勢に打ち明ける」という意味があります。
そのため会社のミーティングで、ほかのスタッフに課題を聞いてもらうことも問題提起といいます。
問題提起は具体的なプロジェクトや解決の糸口になるものです。
そのため、現時点の課題をシェアするというニュアンスがあります。
多くの人に現状を知ってもらうために、実施するものが問題提起です。
「問題提議」とは?
問題提議は、問題提起の誤った使い方になります。
問題定義と書かれることもありますが、正確には問題提起が正しい四字熟語になります。
ただ「提議」という熟語は存在するので「問題を提議する」と書き表すと、誤りのない日本語になります。
ちなみに「提議」には、議案を差しだすという意味合いがあります。
会社で大きな会議が開かれたとき、具体的な提案をおこなうのが「提議」です。
そして自分はその問題に対してどう思っているのか、こちらの意見を伝えることです。
提議は会議で進行役を務める人が、場をスムーズに回すためにおこなうこともあります。
話を振って周りの人の意見を求めることが「問題を提議する」になります。
「問題提起」と「問題提議」の違い
どちらも難しそうに思える四字熟語です。
「問題提起」と「問題提議」の違いを、分かりやすく解説します。
・正しいのは「問題提起」
「問題提議」はありそうな四字熟語ですが、辞書には載っていない誤った語句になります。
一般的に用いられているのは、問題提起です。
問題提議を使いたい時は「問題を提議する」と用いるのがおすすめです。
問題提起には「解決したい疑問点を、投げかける」という内容があります。
1人ではにっちもさっちも進まない事項を、他の人に打ち明けるという意味で使われています。
問題提起では、こちらの考えをうまく周囲に理解してもらうために、事前の準備をおこなうことも大切になってきます。
いくつかの課題を出して、どんな事象にどのように困っているのか、具体的に洗い出していきます。
そして自分なりの解決策や方法も、同時に考えておきます。
1人では重すぎる課題を、周囲に投げかけていく糸口となるのが問題提起です。
まとめ
「問題提起」と「問題提議」の違いを分かりやすくお伝えしました。
問題提起と問題提議は似ていますが、正しい四字熟語は「問題提起」になります。
問題提議は「問題を提議する」と文章にして用いることができます。
訴訟やミーティングで、問題点を投げかけるのが問題提起です。