この記事では、「嗚咽」【おえつ】と「号泣」【ごうきゅう】の意味や使い方、違いを分かりやすく説明していきます。
「嗚咽」とは?
声をつまらせるようにしてむせび泣くのが「嗚咽」【おえつ】と言い、言葉にならないほどの切なさや、悲しさに包まれている状態のときの泣き方を指します。
かなり精神的につらい出来事があったとき、ひくひくと喉をつまらせながら涙を流し、悲しい気持ちですすり泣くさまは痛々しく、見る人も胸が締めつけられるように感じてしまいます。
「嗚咽」するような泣き方するときは、愛する人やペットが事故に遭って亡くなってしまった、愛する人の死がそこまで迫っており、いつ亡くなるか分からないという状況のとき嗚咽して泣くわけです。
理不尽なことで親に怒られたというのに反論できないときや、恋人が浮気したときも悔しさのあまり声をつまらせて泣くことがあります。
「号泣」とは?
周囲が見ていようがお構いなく大きな声を出して、泣くのが「号泣」【ごうきゅう】であり、大粒の涙を流し、顔を濡らす人のさまを表します。
理性のある大人は人が見ていれば感情を抑えて静かに泣きますが、あまりにも急な出来事に動揺すると冷静さを失ってしまい、見さかえなく大声を出して泣いてしまう場合があるのです。
例としては、昨日まで一緒に楽しく過ごした愛する人が急に死んだときや、まだ余命があると聞かされていた人が急に息を引きとったとき、大切な物が壊れてしまったときなどで、予想していなかったことに出くわせば「号泣」して、精神的な乱れを表すわけです。
「嗚咽」と「号泣」の違い
「嗚咽」と「号泣」の違いを、分かりやすく解説します。
分かってはいますが、あまりにもつらい気持ちになってしまったとき声を押し殺すようにして、静かに涙を流して泣くのが「嗚咽」であり、愛する者を失った悲しみで胸が締めつけられる状態のときに当てはまる泣き方です。
もう一方の「号泣」は、取り乱すように声を出して泣くさまを表すものであり、かなり動揺して感情を抑えきれない状態に当てはまります。
「嗚咽」の例文
・『婚約者の裏切り行為に私は嗚咽して泣き崩れた』
・『癌と闘って亡くなった母親の葬式で私は嗚咽が止まらない』
これから愛する人と幸せな家庭を築いていこうと思っていたというのに、浮気というひどい裏切り行為にひどく心が傷ついた人は泣き崩れ、「嗚咽」するわけです。
癌と闘って頑張ってきたというのに、無残にも亡くなってしまった人の気持ちを考えると声にならない状態のときにも「嗚咽」します。
「号泣」の例文
・『長年、自分に寄り添ってくれたペットが突然息を引き取り号泣する』
・『子供の頃に生き別れた父に再会した私は思わず号泣してしまった』
家族のように生活してきたペットが朝早くに前触れもなく息を引き取ったとき、驚きと悲しみでつらい気持ちになった人は「号泣」します。
親と生き別れた人も、いきなり再会したとき、あまりの驚きと嬉しさに包まれて大声を出し、泣いてしまうのです。
まとめ
どちらも悲しい、つらいと感じたとき人が涙を流しながら泣く状態を表す言葉ですが、「嗚咽」は声が出ないほどつらい状態のときであり、「号泣」はかなり驚き、衝撃を受けた悲しい状況であるときに当てはまる泣き方と覚えておくといいでしょう。