「差し出がましい」も「おこがましい」もよく用いられる言葉ですが、実際、使い方が正しいのかと不安になることも多い言葉です。
この記事では、「差し出がましい」と「おこがましい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「差し出がましい」とは?
「差し出がましい」を言い換えれば、「お節介」や「出しゃばり」、「余計なお世話」、「ありがた迷惑」、「出過ぎたまね」、「蛇足」などとなります。
意味としては、自分の立場を考えず、それ以上に前に出しゃばり、その問題に関与するといったものとなります。
相手に余計なことをするように感じさせる行為や出しゃばるように感じさせる行為が「差し出がましい」となります。
「差し出がましい」の場合、自分の言動に対し用いることができるだけではなく、相手の言動に対しても用いることができる特徴があります。
「差し出がましい」の使い方
「差し出がましい」は自分の言動に対しても、相手の言動に対しても用いられる言葉です。
自分の言動に対し用いる場合は、「差し出がましいお願いですが」などといった形で用います。
また、相手の言動に対し用いる場合は、「差し出がましい人」、「差し出がましい態度」などといった形で用います。
「おこがましい」とは?
「おこがましい」を言い換えれば、「生意気」や「失礼」、「小賢しい」、「猪口才」などとなります。
意味としては、自分の立場に合わない出過ぎた言動となります。
身の程をわきまえず、生意気な態度やばかげていることに対し「おこがましい」が用いられます。
「おこがましい」の場合、自分の言動に対してのみ用いることができる言葉で、他人に対し用いることはできません。
「おこがましい」の使い方
「おこがましい」は自分に対してのみ用いることができる言葉です。
そのため、何かを伝える際などに「おこがましいとは思いますが」などといった形で、本題に入る前の言葉として用いられることが多くなります。
「差し出がましい」と「おこがましい」の違い
どちらも、立場を考えず出しゃばる、前に出る、といった意味を持つ言葉ですが、使用することができる対象者に違いがあります。
「差し出がましい」の場合、自分だけではなく相手の言動についても使用することができますが、「おこがましい」の場合は、自分の言動に対してのみ使用することが可能です。
この点に大きな違いがあります。
「差し出がましい」の例文
・『差し出がましいとは思いますが、ひとこと言わせていただきます』
・『彼の言動は常に差し出がましい』
・『自分の立場を考えず差し出がましいことを言ってしまった私』
・『嫌われたくないので、差し出がましいことは言いません』
「おこがましい」の例文
・『おこがましいことを言うようですが、その考えは間違っていると思います』
・『おこがましいことだと思っていたものの、黙っていることはできず口出ししてしまいました』
・『おこがましいようですが、そのミスは私ではありません』
・『おこがましいとは思いますが、この場を借りて一言私にも言わせてください』
まとめ
このように、同じような意味を持つ言葉でも使用することが可能な対象者によって使い分けが必要です。