この記事では、「移転」と「移設」の違いを分かりやすく説明していきます。
「移転」とは?
「移転」には2つの意味があります。
ひとつめは、位置や住所などを別のところに移すです。
事務所の住所が変わることで説明をします。
ある企業は事務所を借りて、そこで仕事をしていました。
事業が拡大したことで、この事務所では狭くなってしまったので、別の場所で別の事務所を借りて、そこで仕事をすることにしました。
これまでの企業の住所はAだったとします。
これが、事務所の場所が変わることでBになります。
企業の住所は変わりましたが、建物自体は残っています。
これを「事務所の移転」といいます。
今度はビルの中に入っている店のことで説明をします。
この店は大型ビルの中に入っている店の一つです。
理由があり、店の場所を変えることになりました。
今度の場所は、今入っているビルの隣にあるビルの中です。
この店が別のビルに中に移っても、これまで入っていたビルはなくなりません。
中で営業をしていた店の場所が変わるだけです。
このように、位置や住所などが変わることを意味しています。
もう一つの意味は、法律で権利の中心となっているものが別のものに移ること、また移すことです。
「移転」の使い方
建物の場所や住所などを変えるという意味で使用をします。
この建物は、個人の家、学校、店などさまざまなものを含みます。
「移設」とは?
施設や設備などを別の場所に移して、そこに設置をすることです。
別の場所に移るのは施設や設備で、個人の家ではありません。
銅像のことで説明をします。
ある駅の前には銅像が設置されています。
駅周辺の環境を変えたかったため、銅像を別の場所に移すことにしました。
銅像をそのまま地面から引き離し、別の場所に持って行って、そこに設置をします。
新たに銅像を作って、別の場所にも設置をする、つまり2つの銅像ができるのではありません。
これを「銅像の移設」といいます。
今度は飛行場のことで説明をします。
ある飛行場は手狭になってしまったため、別の場所に新しい飛行場を設置することにしました。
これまで使っていた飛行場は、今後飛行場として使われることはなく、壊す予定です。
こういった、別の場所に設置することを意味しています。
「移設」の使い方
施設や設備などを別の場所に移して設置するという意味で使用をします。
場所が移るのは施設や設備で、個人の家には使用しません。
「移転」と「移設」の違い
移るという意味を持つ点が似ていますが、同じことではありません。
「移転」は住所や位置などを変えることです。
以前の家などは残っている場合があります。
「移設」は施設や設備などの場所を変えて、そこに設置をすることです。
以前の施設などは、なくしてしまう場合があります。
「移転」の例文
・『移転先を知らせる』
・『12月に移転をする予定』
「移設」の例文
・『移設に反対する』
・『移設場所を探す』
まとめ
移るという意味を持つ点が似ていますが、それぞれの言葉が指す事柄は異なります。