「粗利率」と「差益率」の違いとは?分かりやすく解釈

「粗利率」と「差益率」の違いビジネス・就職・転職

会計関連などで目にする「粗利率」「差益率」という言葉ですが、どんな違いがあるのでしょうか?

この記事では、「粗利率」「差益率」の違いを分かりやすく説明していきます。

「粗利率(あらりりつ)」とは?

「粗利率(あらりりつ)」とは?

「粗利率」とは、売上高に対して粗利(=売上総利益)が占める割合のことであり、「売上総利益率」「粗利益率」とも呼ばれます。

計算式は「売上総利益(=売上高-売上原価)÷売上高×100」です。

「粗利」とは、「粗利益高」(荒利益高)の略語であり、売上高から売上原価(=仕入高)を差し引いたときに算出される利益のことを指し、正式な会計用語では「売上総利益」と呼ばれます。

「粗利」は計算式からも分かるように、単純な商品の売上による利益を表しており、諸経費や税金、金融活動による損失は含まれません。

例として、300円で仕入れた商品を500円で販売した場合、商品1個あたりの「粗利」は200円(=500-300)となり、「粗利率」は40%(=200÷500×100)となります。

「差益率(さえきりつ)」とは?

「差益率(さえきりつ)」とは?

「差益率」とは、売上高に対して差益高が占める割合のことであり、計算式は「差益高÷売上高×100」です。

「差益高」とは、先述した「粗利」と同義であり、売上高から売上原価(=仕入高)を差し引いたときの差額がプラス(=利益)だったときの数値のことを指します。

ちなみに、売上高から支出を差し引いたときの差額がマイナス(=損失)だったときは「差損」となります。

商品は当月仕入れたものが当月中に全て売れるとは限りません。

先月仕入れた商品の在庫が今月売れることや、今月仕入れた商品の在庫は来月以降の売上として計上するなど、仕入れ時期と販売時期にもズレが生じるのが一般的です。

「差益高」はある商品が売れた時点における、単純な仕入れ額と売れた金額の差額を表すときに用いられます。

例として、当月に300円で100個仕入れた商品を500円で販売し、当月中に100個全て売れた場合、この商品の当月の「差益高」は20000円(=50000-30000)となり、「差益率」は40%(=20000÷50000×100)となります。

当月に300円で100個仕入れた商品を500円で販売し、当月中に70個売れた場合、この商品の当月の「差益高」は5000円(=35000-30000)となり、「差益率」は14. 2%(=5000÷35000×100)となります。

「粗利率」と「差益率」の違い

「粗利率」と「差益率」の違い

「粗利率」「差益率」の違いを、分かりやすく解説します。

「粗利率」とは、売上高に対して粗利(=売上総利益)が占める割合のことです。

「差益率」とは、売上高に対して差益高(=売上総利益)が占める割合のことです。

「粗利」=「差益高」=「売上総利益」であり、計算式が同じであることからも「粗利率」=「差益率」=「売上総利益率」と言えます。

まとめ

まとめ

「粗利率」「差益率」はいずれも「売上総利益率」と同義であり、売上高に対する売上総利益が占める割合を指しています。

ちなみに、いずれの指標も単独で用いて判断するものではなく、他の数値と照らし合わせながら用いるのが良いとされています。