この記事では、「山形牛」と「米沢牛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「山形牛」とは?
「山形牛」とは名前通り山形県で育てられている黒毛和種のブランド牛です。
山形県にも様々な市町村がありますが、山形県内の黒毛和種であり、ブランドの規格をクリアしているのであれば、何市の黒毛和牛であっても「山形牛」を名乗ることができます。
定義としては山形県で肥育された期間が一番長いこと、未出産のメスか去勢済みのオス、肉質は基本的に4等級以上、放射性物質が不検出であることです。
他地域の黒毛和牛よりも長く肥育しており、きめ細かく上質なサシと柔らかな赤みが特徴になります。
各県にはそれぞれ特定地域のブランドだけでなく、その都道府県内ならどの市町村でも獲得できる都道府県内共通ブランド的な銘柄がありますが、「山形牛」はその中でも特に肉質が最高級である5級の割合が比較的多いことも特徴です。
「米沢牛」とは?
「米沢牛」とは山形県の中でも、米沢市がある置賜地方で育てられた黒毛和種のブランド牛です。
育てられた地域が「米沢牛」のルーツがある米沢市近辺でなくてはいけませんし、飼育者も推進協議会が認定した飼育者でなければ、米沢市で育てられた牛でも「米沢牛」を名乗れません。
1800年代の山形県に牛を食べる食文化はありませんでしたが、文明開化後に招いた横浜の英語教師がその美味しさに驚き、仲間たちにも振る舞ったことで美味しさが知れ渡り、山形県に牛食の文化が広まった切掛とも言えるほど、山形県にとって重要な牛が「米沢牛」です。
その文化的な重要性もあり、「米沢牛」の定義は「山形牛」よりも厳しいですが、それだけに味も「山形牛」より一段高いものであり、国産牛のブランドとして日本でも有名な銘柄になっています。
「山形牛」と「米沢牛」の違い
「山形牛」と「米沢牛」の違いを、分かりやすく解説します。
山形県全域で肥育されたブランド牛が「山形牛」で、その中でも置賜地方で育てられている牛のブランドが「米沢牛」です。
「山形牛」は県内であれば地域も飼育者も問いませんが、「米沢牛」は地域も限定されれば、飼育者も認定を受けた飼育者に限定されます。
また「山形牛」は未出産のメス牛でも去勢済みのオス牛でも構いませんが、「米沢牛」は未出産のメス牛のみであることを始め、定義も「山形牛」より厳しいです。
肉の味としては「山形牛」はきめ細かなサシ、柔らかでまろやかな赤身、それらが見事なバランスで調和した深い味わいが特徴ですが、「米沢牛」はそれらを更にワンランクアップさせた味わいがあり、「山形牛」よりも上等なブランドとして扱われています。
まとめ
山形県全体のブランド牛が「山形牛」であり、ブランド牛としてのルーツであり、ワンランク上のブランド牛が「米沢牛」です。
「山形牛」自体、全国的に見れば上位の部類である牛ですが、「米沢牛」はその更に上を行くだけあり、非常に高い人気を得ています。