大規模な災害による被害が発生したときに発行される書類に「被災証明書」と「り災証明書」がありますが、どこに違いがあるのでしょうか。
今回は、「被災証明書」と「り災証明書」の違いについて解説します。
「被災証明書」とは?
「被災証明書」とは、「台風や地震、洪水などの自然災害により家屋や施設が災害被害を受けたという事実を証明する書類」を意味する言葉です。
自然災害が発生し何らかの被害を受けることを「被災」といいます。
「被災証明書」とは「被災した事実を証明する公的書類」です。
「被災証明書」が証明するのは被災を受けたという事実のみであり被災の程度や被害の種類などは問いません。
「被害を受けたか受けないかという二択において被害を受けていることを証明する書類」が「被災証明書」なので内容や程度を問わず被災したことが事実であると証明するときに用いられます。
被害の程度や種類の照明としては使えないので保険金申請などには利用できないこともありますが事実認定が写真や目視確認の簡単な手続きのみで済むので早期発行できるのが大きな特徴です。
大規模災害の後は行政も混乱して続き業務がスムーズに進まないことも多いのですが簡単な手続きで発行可能な「被災証明書」は被災を第一に証明する書類として大きな役割を果たします。
「被災証明書」の使い方
・『台風で家が壊れたので被災証明書を申請する』
・『写真を送るだけで被災証明書の受付は完了になる』
・『見舞金を受け取るには被災証明書が必要だ』
・『今後必要になる可能性が高いのでとりあえず被災証明書を申請しておく』
「り災証明書」とは?
「り災証明書」とは、「台風や地震、洪水などの自然災害により家屋や施設が災害被害を受けたときその被害の程度を行政側が調査し確認した事実に基づき発行される被害程度を証明する書類」を意味する言葉です。
「り災証明書」の役割は「自然災害で被った被害の程度証明」です。
被災したと言っても被害程度はそれぞれ異なります。
復旧できないほどめちゃめちゃに怖てしまう家もあれば簡単な修理で元通りに直せる家もありますが大きなくくりではどちらも被災物件ですが実質的な被害状況には雲泥の差があります。
「り災証明書」とは「実際に被った被害の程度を証明するための書類」です。
「り災証明書」の発行を申請すると自治体の担当者が現場を訪れて調査が行われ専門家の調査に従い被害の程度を「全壊」「半壊」「準半壊」などに区分します。
具体的な被害の程度を証明する書類なので保険金の申請や補助金の交付などさまざまな場面で必要になります。
被害程度をチェックして発行される書類なので原則として修理や解体する前に申請手続きを行わなくてはいけません。
「り災証明書」の使い方
・『り災証明書の発行を申請する』
・『市の担当者がやってきてり災証明書発行のために調査を行った』
・『り災証明書により自宅が全開していると認められた』
・『保険金申請にはり災証明書が必要だと説明を受けた』
「被災証明書」と「り災証明書」の違い
「被災証明書」が被災している事実のみを証明する書類であるに対し「り災証明書」は被災していてさらにどの程度の被害を受けているかをも証明する書類です。
被災しているかいないかを証明するのが「被災証明書」、被災した中で被害状況を細かく分類しランク付けするのが「り災証明書」という違いで区別されます。
まとめ
「被災証明書」と「り災証明書」は似たような書類ですが役割や手続きが大きく異なります。
実際に被災した場合は両方の書類を申請することがほとんどなのでそれぞれの役割と目的を正しく理解しておきましょう。