「勇退」と「辞任」の違いとは?分かりやすく解釈

「勇退」と「辞任」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「勇退」「辞任」の違いを分かりやすく説明していきます。

「勇退」とは?

「勇退」とは?

学問や技芸などで後から進んでくるものに道を譲るために、自分から職や任などから退くことです。

自分がそこにいると後からやってくるものの邪魔になってしまうかもしれないなどの理由で、自分からその職などから離れることを意味しています。

人に言われて無理やりやらされるものではありません。

ある番組に長年出演している司会者がいたとします。

この番組が放送されてからずっと、この司会者が番組の進行を行っています。

あるとき、この司会者は他のものに司会を任せてみようと思いました。

司会を任せて、その人を育てたいと考えたのです。

しかし、自分が今司会を行っていては、別の誰かが活躍する場がありません。

そこで、自分が司会から退くことにしました。

こうして、後に続くものに道を譲りました。

このように、後から来るものに譲るために、自分から職などから退くことを意味する言葉です。

「勇退」の使い方

自分から職などから退くことで、それが後から進んでくるものに譲るための場合に使用をします。

誰かから無理やり退かされることには使用しません。

「辞任」とは?

「辞任」とは?

就いていた任務や職務から、自ら言ってやめることです。

やめるものは、任務や職務です。

任務は果たすべき務め、職務は今取り組んでいる仕事や役目という意味です。

たとえば、首相がその任を自分からやめることがこの言葉が意味するものです。

首相という果たすべき務めをやめても、議員という職はやめていません。

プロ野球の1軍監督が、自分から監督をやめたとします。

これは、この言葉が意味するものです。

この人は1軍の監督はやめたけれど、2軍の監督をするかもしれません。

野球にはかかわり続けているのです。

ビジネスパーソンが会社をやめることは、この言葉が意味するものではありません。

今担当している仕事だけをやめる場合は、この言葉が意味するものですが、やっていることだけでなく会社までやめてしまったら、この言葉が指すものではないです。

「辞任」の使い方

果たすべき務めや担当している仕事などを、自分から言ってやめることについて使用をします。

自分からやめるのではなく、誰かからやめさせられる場合には使用しません。

「勇退」と「辞任」の違い

「勇退」と「辞任」の違い

そこからいなくなるといった意味が似ていますが、同じことではありません。

前者は後から続いてくるものに道を譲るために行うものです。

後者には道を譲るためという意味は含まれていません。

また、やめるものが果たすべき務めや担当している仕事の場合をいいます。

「勇退」の例文

「勇退」の例文

・『来月に勇退することとなった』
・『勇退する○○氏のあいさつ』
・『すでに勇退していた』

「辞任」の例文

「辞任」の例文

・『辞任の意向を伝える』
・『辞任に向けての調整を行う』
・『辞任するのではないかといわれている』

まとめ

まとめ

そこからいなくなるという意味を持つ点が似ていますが、何からいなくなるのかなどに違いがあります。