陸上自衛隊の階級として陸上自衛隊の「陸士」と「陸曹」があります。
このふたつの階級は具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、陸上自衛隊の「陸士」と「陸曹」の違いについて解説します。
「陸士」とは?
「陸士」とは、「陸上自衛隊の階級のうち一番下に位置する階級」です。
幾つかに分類される陸上自衛隊の中でも最も下に位置するグループが「陸士」です。
「陸士」は「2士」「1士」「士長」の3つからなり一般的な軍隊における兵卒にあたる階級です。
諸外国の軍隊における「二等兵」「一等兵」「上等兵」に当たる階級ですが陸上自衛隊において「陸士」は特殊な位置づけがなされています。
「陸士」は一般企業でいうところの契約社員に近い扱いで入隊から6年以内に昇進しないと自衛隊を去ることになります。
いわば見習いのような扱いなので任務の殆どは訓練が中心です。
「陸士」の期間に厳しい訓練で体力と専門知識が磨かれ、専門的な職務をこなせる程に成長したと認められると昇進しそれぞれの適正に応じて配属されます。
「陸士」の契約は期間制で1期2年もしくは3年の契約で採用されます。
契約が更新されるのは最長6年ですが契約更新のたびに退職金が支給されます。
「陸士」の使い方
・『陸士は毎日厳しい訓練で鍛えあげられている』
・『陸士でいる間に各種免許を取得するのが一般的だ』
・『陸士でいられるのは6年までと決まっている』
・『陸上自衛隊は士官が多く陸士は少ない』
「陸曹」とは?
「陸曹」とは、「陸上自衛隊の階級のうち下から二番目に位置する階級」です。
陸上自衛隊の階級のうち「3曹」「2曹」「1曹」「曹長」が「陸曹」にあたります。
「陸曹」は諸外国の軍隊における下士官に当たる階級です。
軍隊では下士官と士官ではっきりと待遇が分かれ下士官はどんなにがんばっても幹部には昇進できません。
陸上自衛隊においても「陸曹」以下からのたたき上げで幹部に昇進するケースはまれです。
「陸曹」以上の階級は一般企業における正社員の扱いになります。
正式に陸上自衛隊に雇用されているので大きな問題を起こさなければ定年まで務め上げられます。
「陸曹」の多くは現場で経験を積んだベテランでありそれぞれの職務に通じる専門家ぞろいです。
防衛大学校を卒業した学生は士官扱いで「陸曹」より上の階級からのスタートになりますが実際の現場では「陸曹」のほうが経験も知識も豊富であり実質的な指導役となることも少なくありません。
「陸曹」の使い方
・『たたき上げで陸曹のトップである曹長に昇進する』
・『陸曹の人材不足が深刻化している』
・『現場経験が最も豊富なのは陸曹である』
・『陸曹は鬼より怖いと言われている』
「陸士」と「陸曹」の違い
「陸士」と「陸曹」の違いは「階級」です。
軍隊でいうところの兵にあたるのが「陸士」、下士官にあたるのが「陸曹」です。
「陸士」は見習いに近い扱いですが「陸曹」は現場経験豊富なベテランが多く実質的な実務の主力として現場をまとめあげます。
まとめ
「陸士」と「陸曹」はどちらも陸上自衛隊においては士官と区別される下の階級です。
日常生活ではあまりなじみのない言葉ですがニュースなどで耳にする機会も多いので違いを知っておきましょう。