よくニュースの中で、「発動」や「発令」という言葉を目にすることがあります。
これらの言葉を聞くと、とても緊迫した印象を覚えてしまうのですが、いったいどのような意味が込められているのでしょうか?
今回はそんな緊張感のイメージがある「発動」と「発令」の意味やその違いを見ていくことにします。
「発動」の意味や使い方
「発動」は「はつどう」という読み方をしますが、「ある活動を具体的に起こすこと」、「動き出すこと」、あるいは「動き出させること」という意味があります。
具体的には、事件などを処理するために、法的権限を行使するような場合に「発動」が使われて「強権を発動する」というような言い回しで表現されています。
特にニュースで耳にする「権限を発動させる」などの表現は、「自衛隊を発動する」という形が多く、大災害発生後に陸上自衛隊が「発動」し、捜索・救助活動に当たることになります。
その他には、「動力を起こすこと」という意味もあり、「発電機を発動する」という用途もあります。
「発令」の意味や使い方
「発令」は「はつれい」という読み方をする言葉で「事件などを処理するために、法的権限を行使すること」、「法令・辞令・指示などを出すこと」という意味を持っています。
その他にも、「警報を出すこと」という意味もあり、気象庁が「津波警報を発令した」という表現で用いることもあります。
「発動」と「発令」の違い
では、これら「発動」と「発令」には、どのような違いがあるのでしょうか?
「発令」は「法令・辞令・指示などを出すこと」という意味となり、「異動発令がある」、「暴風警報を発令する」というように、あるルールや法律に基づき起こされる指令になります。
気象庁が警報や注意報を出す「発令」も、定められた規則により「発令」されます。
しかし、一方の「発動」は「ある活動を具体的に起こすこと」ということになり、「発令」のように法令などに基づくものではなく、「活動そのものを実行する」という解釈になります。
この点が異なる点として挙げられます。
「発動」を使った例文と意味を解釈
では「発動」を使った例文を見てみることにしましょう。
「先程、消防団が発動されて、行方不明者の捜索を開始しました」
火災が起きた時に、消防団が発動されて、行方が分からない人々の捜索や救助に当たることになります。
特に地震や津波発生後には、消防団だけでなく、自衛隊の発動も行われ連携した活動になっていきます。
「発令」を使った例文と意味を解釈
「今月に本社勤務が発令されて、田中さんが部長として戻って来ることになった」 ビジネスマンにはつきものの転勤ですが、これも人事異動として「発令」という言葉が使われます。
まとめ
「発動」と「発令」の言葉の意味や使い方を見てきました。
これらの言葉は、テレビやインターネットの記事でもよく使われている言葉なので、言葉の認知度は高いのですが、詳しい意味を正しく理解することがなかったかもしれません。
今回の記事でしっかりとチェックして、正しく理解しておきましょう。