「忖度」と「空気を読む」という言葉は、意味が良く似ていて使い方に迷うこともあります。
どの様な点が違うのか、意味や例文なども併せて紹介します。
「忖度」と「空気を読む」各々の解釈
「忖度」と「空気を読む」のそれぞれの意味や使い方の解釈をします。
「忖度」の意味や使い方
「忖度」の意味は「他人の心を推し量ること」です。
相手が何を考えているかを自分で推察して、思いやろうとする気持ちのことを言います。
相手が何か問題を抱えていら、その気持ちを汲んで何か協力できることはないかと思ったり、勇気づけてあげようと思う時の表現です。
「忖度」は、仕事関係だけではなく親や友人など身近な人に対しても使える言葉です。
本来は「気持ちを汲み取ること」であり、相手との関係や、相手の為に何か行動をすることという意味までは含まれていません。
しかし2017年の森友学園問題以来、「目上の人の気持ちを推し量ること」という意味から「指示されなくても上司が望んでいる良くない行為をすること」という意味で使われる様にもなっています。
「空気を読む」の意味や使い方
「空気を読む」の意味は「その場の雰囲気から判断して、最も良い対応をすること」です。
その時の相手の様子や周囲の雰囲気などから推察して、自分が何をするべきか、逆にしてはいけないかを察知することを言います。
その場の雰囲気や空気というのは毎回変わるものですので、その都度臨機応変に判断して行動する時の表現です。
「空気を読む」は、自分から気付いてその様に行動しようと感じる時に使います。
一人でも複数でも、目の前に相手がいて、その時の状況で自分の行動を判断する時の言葉です。
「忖度」と「空気を読む」の違い
「忖度」と「空気を読む」の違いは、以下の2つです。
1つ目は、「事情があることか、一時的なものか」という点です。
「忖度」は、相手の事情や背景を考えた上で気持ちを推し量ることです。
「空気を読む」は、その場でたまたたま発生した雰囲気により、臨機応変に対応することです。
2つ目は、「その場に相手がいるかいないか」という点です。
「忖度」は、相手がその場にいなくても自分が相手のことを考える時に使います。
「空気を読む」は、目の前にいる相手やそのかもしだす雰囲気に合わせる時に使います。
「忖度」と「空気を読む」各々を使った例文と意味を解釈
「忖度」と「空気を読む」を使ったそれぞれの例文とその意味を解釈していきます。
「忖度」を使った例文と意味を解釈
「ミスをして落ち込んでいる友人の気持ちを忖度してそっとしておいた」
ミスをして落ち込んでいる友人に対して、「きっと今は放っておいてほしいだろう」と思い、敢えて声をかけないことを表しています。
「空気を読む」を使った例文と意味を解釈
「その場の空気を読んで静かに席に着いた」
重要な会議があり厳粛な雰囲気だったので、小さめの声で挨拶をして席に着いたことを表しています。
まとめ
「忖度」と「空気を読む」は似ている様で違います。
同じ相手を思いやることでも、シーンにより使い分けがあるので覚えておきましょう。